Bubbleは無料プランで何ができる?課金を始めるべきタイミングとは?
ノーコードツール「Bubble」の導入を検討する際、多くの方が最初に気になるのは「無料プランでどこまで使えるのか?」という点ではないでしょうか。
結論から申し上げると、Bubbleの無料プランは、社内検証やプロトタイプ作成の用途であれば十分に活用できます。エディタでのアプリ構築、基本的なデータベース操作、テスト環境での動作確認など、開発に必要な基本機能は一通り揃っています。
ただし、アプリを一般公開したり、商用利用したりする場合には有料プランへの移行が必須となります。無料プランはあくまで「学習・検証・プロトタイピング」を目的とした位置づけであり、本番運用を想定したものではありません。
本記事では、Bubbleの無料プランでできること・できないことを整理し、有料プランとの違いや、無料から有料へ移行すべきタイミングまで、導入検討者の視点で詳しく解説していきます。
目次
Bubbleの無料プランでできること・できないことの要点まとめ
まず、Bubbleの無料プランで「できること」と「できないこと」を整理しておきましょう。以下の表をご覧ください。
| 無料プランでできること | 無料プランでできないこと |
|---|---|
| ビジュアルエディタでのアプリ構築・UI設計 | 本番環境(Live版)へのデプロイ・一般公開 |
| テスト環境(Development版)での動作確認 | カスタムドメインの設定 |
| 基本的なデータベース操作(200件まで) | Bubbleロゴの非表示 |
| フロントエンドワークフローの設定 | バックエンドワークフロー(スケジュール実行等) |
| プラグインのインストール・利用 | 複数バージョン(ブランチ)の保持 |
| レスポンシブデザインの対応 | サーバーログの長期保存(6時間まで) |
| Bubble標準ドメインでのテスト公開 | ストレージ容量の拡張(0.5GBまで) |
無料プランの最大の制約は「本番環境へのデプロイができない」という点です。つまり、不特定多数のユーザーに向けてアプリを公開することができません。テスト環境(Development版)でURLを共有することは可能ですが、あくまで限定的な共有に留まります。
また、データベースに保存できるレコード数は200件までという制限があります。ユーザー登録や商品データなどを扱う場合、業務利用では比較的早い段階でこの上限に到達する可能性があるため注意が必要です。
さらに、バックエンドワークフロー(定期実行処理や再帰処理など)も無料プランでは利用できません。例えば、「毎朝9時にメールを自動送信する」「1時間ごとにデータを更新する」といった処理を組み込む場合は、有料プランへの移行が必要となります。
詳細な機能比較については、後述のH2②で改めて解説いたします。
Bubbleの無料プランから→有料プランへ移行するポイント
「自分のケースでは無料プランのままで良いのか、有料プランに移行すべきなのか」を判断するために、以下のポイントを参考にしてください。
Q1. アプリを一般公開する予定がありますか?
- はい → 有料プラン(Starter以上)が必須
- いいえ → Q2へ
Q2. 保存するデータ件数は200件を超える見込みがありますか?
- はい → 有料プラン(Starter以上)を推奨
- いいえ → Q3へ
Q3. 外部サービスとのAPI連携や定期実行処理が必要ですか?
- はい → 有料プラン(Starter以上)を推奨
- いいえ → Q4へ
Q4. 複数人でのチーム開発やバージョン管理が必要ですか?
- はい → 有料プラン(Growth以上)を推奨
- いいえ → 無料プランで十分対応可能
上記のフローに当てはめると、社内向けのプロトタイプ作成や、開発ベンダー選定前の技術検証など、「公開を前提としない」「データ量が少ない」「外部連携が不要」というケースであれば、無料プランのままで十分に活用できることがわかります。
一方で、1つでも「はい」に該当する場合は、早い段階で有料プランへの移行を検討すべきでしょう。特に「一般公開」は無料プランでは物理的に不可能なため、この点は導入前に必ず確認しておく必要があります。
次のセクションでは、各料金プランの詳細な機能比較を行い、どのプランがどのような用途に適しているかを解説していきます。
Bubbleの無料プランでの使用できる機能を詳しく紹介!

ここからは、Bubbleの料金プランごとの機能差を詳しく解説していきます。導入検討や社内稟議に必要な情報を網羅的にまとめていますので、プラン選定の参考にしてください。
無料(Free)プランで使える機能と制限一覧

Bubbleの無料プランは、「Bubbleの学習」「技術検証」「プロトタイプ作成」を目的としたプランとして位置づけられています。商用利用や本番運用を想定したものではありませんが、開発に必要な基本機能は一通り揃っています。
【無料プランで使える機能の詳細】
■ ビジュアルエディタ(ドラッグ&ドロップでのUI構築)
Bubbleの最大の特徴であるビジュアルエディタは、無料プランでもフル機能で利用可能です。ボタン、テキスト、入力フォーム、画像などのUI要素をドラッグ&ドロップで配置し、直感的にアプリの画面を設計できます。レスポンシブデザインにも対応しており、PC・タブレット・スマートフォンなど、各端末の画面幅に最適化したデザインを作成することができます。
■ データベース機能(Thing・Fieldの作成、200レコードまで)
Bubbleでは「Thing」と呼ばれるデータテーブルを作成し、その中に「Field」としてデータ項目を定義します。無料プランでもこのデータベース機能は利用可能ですが、保存できるレコード数は200件までという制限があります。

ユーザー情報や商品データなどを扱う場合、この上限は比較的早い段階で到達する可能性があるため、検証段階でも注意が必要です。
■ ワークフロー設定(フロントエンドワークフローのみ)
ワークフローとは、「ボタンをクリックしたらデータを保存する」「ログインしたら特定のページに遷移する」といった、アプリの動作ロジックを定義する機能です。

無料プランでは、ユーザーの操作をトリガーとする「フロントエンドワークフロー」のみ利用可能です。定期実行や再帰処理などの「バックエンドワークフロー」は有料プラン限定となります。
■ プラグインのインストール・利用
Bubbleには公式・非公式合わせて数千種類のプラグインが公開されており、無料プランでもこれらをインストールして利用することができます。ただし、一部のプラグインは有料プランでないと機能しないものもあるため、導入前に確認が必要です。
■ Collaborator(共同編集者)は追加不可
無料プランでは、1つのアプリに対して編集できるのは1アカウントのみです。複数人での共同開発を行う場合は、有料プランへの移行が必要となります。
【無料プランの制限事項の詳細】
| 制限項目 | 無料プランの上限・制約 |
|---|---|
| 本番デプロイ | 不可(Live環境へのプッシュ不可) |
| カスタムドメイン | 不可(Bubble標準ドメインのみ) |
| Bubbleロゴ表示 | 強制表示(非表示不可) |
| ストレージ容量 | 0.5GBまで |
| データベース容量 | 200レコードまで |
| ワークロードユニット | 50,000 WU/月 |
| サーバーログ保存期間 | 6時間まで |
| バージョン管理 | 不可(ブランチ機能なし) |
| バックエンドワークフロー | 不可 |
特に注意すべきは、本番環境へのデプロイが不可能である点です。これは「テスト環境でしか動作確認ができない」という意味ではなく、「一般ユーザーがアクセスできる状態でアプリを公開できない」という根本的な制約を意味します。無料プランで作成したアプリは、あくまで開発・検証用途に限定されることを理解しておきましょう。
有料プラン(Starter / Growth / Team)との違い早見表

続いて、無料プランと有料プラン(Starter / Growth / Team)の機能差を比較していきます。以下の早見表で、各プランの特徴を確認してください。
| 項目 | Free (無料) | Starter ($59/月) | Growth ($209/月) | Team ($549/月) |
|---|---|---|---|---|
| 本番デプロイ | × | ○ | ○ | ○ |
| カスタムドメイン | × | ○ | ○ | ○ |
| Bubbleロゴ非表示 | × | ○ | ○ | ○ |
| データベース容量 | 200件 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
| ストレージ容量 | 0.5GB | 50GB | 100GB | 1TB |
| ワークロードユニット | 50k/月 | 175k/月 | 250k/月 | 500k/月 |
| バックエンドWF | × | ○ | ○ | ○ |
| API Connector | △(制限あり) | ○ | ○ | ○ |
| Collaborator人数 | 0人 | 1人 | 2人 | 5人 |
| ブランチ管理 | × | 基本のみ | 10ブランチ | 25ブランチ |
| サーバーログ保存 | 6時間 | 2日 | 14日 | 20日 |
| 2段階認証 | × | × | ○ | ○ |
※料金は2025年12月時点の情報です。最新の料金はBubble公式サイトでご確認ください。
【各プランの適正ユーザー・用途】
■ Starterプラン($59/月)
個人開発者や小規模アプリの公開に最適なプランです。本番デプロイ、カスタムドメイン設定、Bubbleロゴ非表示など、アプリを一般公開するために必要な基本機能が揃っています。MVP(Minimum Viable Product)の検証やシンプルな業務ツールの運用であれば、このプランで十分対応可能です。
■ Growthプラン($209/月)
本格的なサービス運用や中規模アプリの開発に適したプランです。Starterプランの機能に加えて、プレミアムバージョン管理、アカウントの2段階認証、10ブランチまでの並行管理など、チーム開発やセキュリティ強化に必要な機能が追加されます。ワークロードユニットやストレージ容量も拡張されるため、ユーザー数の増加にも対応しやすくなります。
■ Teamプラン($549/月)
複数人でのチーム開発や、アクセス・処理量の多いサービスに最適なプランです。最大5人までのCollaborator追加、25ブランチまでの並行管理、サブアプリ機能(別のBubbleアプリとの連携)など、大規模プロジェクトに必要な機能が揃っています。事業として本格的にサービスを成長させていくフェーズでは、このプランの検討をおすすめします。
商用利用・一般公開には有料プランが必須な理由
改めて強調しておきたいのは、Bubbleで商用利用や一般公開を行う場合、有料プランへの移行が必須であるという点です。これは利用規約上の制限ではなく、そもそも無料プランでは物理的に本番デプロイができない仕様になっています。
【無料プランで商用利用・一般公開ができない具体的理由】
■ 本番環境(Live)へのデプロイができない
Bubbleでは、開発中のアプリは「Development版」、公開後のアプリは「Live版」という2つの環境に分かれています。無料プランでは、Development版での開発・テストは可能ですが、Live版へのデプロイ(公開)はできません。つまり、不特定多数のユーザーがアクセスできる状態でアプリを公開することが、システム上不可能なのです。
■ Bubbleロゴが強制表示される
無料プランでは、アプリ画面の左下に「Made in Bubble」というロゴが強制的に表示されます。自社サービスとしてブランディングを行う場合、このロゴ表示はユーザー体験やブランドイメージに影響を与える可能性があります。有料プラン(Starter以上)では、このロゴを非表示にすることができます。
■ パフォーマンス・サポート面での制限
無料プランでは、ワークロードユニットやストレージ容量の上限が低く設定されています。仮にテスト環境で多くのユーザーにアクセスしてもらった場合、すぐに上限に達してしまい、アプリのパフォーマンスが低下するリスクがあります。また、無料プランではサポート対応も限定的であり、本番運用で発生した問題に迅速に対処できない可能性があります。
これらの理由から、商用利用を想定するなら最低でもStarterプラン($59/月〜)への移行が必要です。
一般的なBubble開発のフローとしては、「無料プランで開発・検証を進め、公開のタイミングで有料プランに移行する」という流れが最もコストパフォーマンスに優れています。開発段階で有料プランに加入する必要はなく、公開直前のタイミングで移行すれば、無駄なランニングコストを抑えることができます。
Bubbleを無料プランのまま使ってもいいケースは?ノーコード活用シーン別に解説

ここまで無料プランの制限について解説してきましたが、「無料プランでは何もできない」というわけではありません。用途によっては、無料プランのままでも十分にBubbleの価値を享受できるケースがあります。
以下では、無料プランのままでも活用できる代表的な3つのシーンをご紹介します。ご自身の状況に当てはまるかどうか、確認してみてください。
ケース① 社内提案用のプロトタイプ・モック開発
1つ目のケースは、社内向けの提案資料として、新規サービスや業務改善ツールのプロトタイプ・モックアップを作成する場合です。
例えば、以下のようなシーンが該当します。
- 新規事業のアイデアを経営層にプレゼンするためのデモアプリを作りたい
- 社内の業務フローをシステム化する提案を行うため、具体的なイメージを見せたい
- 営業管理ツールや顧客管理システムの導入検討にあたり、画面イメージを共有したい
このようなケースでは、無料プランで十分に対応可能です。その理由は以下の通りです。
■ テスト環境のURLで社内関係者への共有が可能
Bubbleの無料プランでも、Development版(テスト環境)のURLを発行することができます。このURLを社内の関係者に共有すれば、実際にアプリを操作してもらいながらプレゼンテーションを行うことが可能です。PowerPointやFigmaで作成した静止画のモックアップとは異なり、「実際に動くアプリ」として見せられる点は、提案の説得力を大きく高めます。
■ デザイン・画面遷移・基本機能のデモが可能
無料プランでも、ビジュアルエディタを使ったUI設計、ワークフローによる画面遷移やデータ保存の実装など、アプリの基本的な動作をデモンストレーションできます。「ボタンを押したらこの画面に遷移する」「フォームに入力したデータがこのように保存される」といった動きを実際に見せることで、関係者の理解を得やすくなります。
■ 一般公開しないためBubbleロゴも問題にならない
社内向けのプロトタイプであれば、画面に表示されるBubbleロゴも大きな問題にはなりません。「これはあくまで検証用のプロトタイプです」と前置きすれば、ロゴの存在が提案の評価に影響することはほとんどないでしょう。
【具体例】
- 営業部門向けの案件管理ツールのプロトタイプ
- 社内申請・承認フローのシステム化モック
- 人事部門向けの採用管理システムの画面イメージ共有
- 経営会議向けの新規サービスコンセプトデモ
【注意点】
プロトタイプが承認され、本格的な開発・運用に進む場合は、有料プランへの移行が必要です。社内稟議を通す段階で、本番運用時のランニングコスト(月額$59〜)も併せて予算計上しておくことをおすすめします。
ケース② 新規事業のMVP検証やユーザーインタビュー用
2つ目のケースは、スタートアップや社内新規事業において、MVP(Minimum Viable Product)の検証やユーザーインタビューを行う場合です。
MVPとは、「最小限の機能を持つ実用可能な製品」のことで、市場のニーズを検証するために必要最小限の機能だけを実装したプロダクトを指します。新規事業の初期フェーズでは、完成度の高いプロダクトを作り込むよりも、素早くプロトタイプを作成し、実際のユーザーからフィードバックを得ることが重要です。
このようなMVP検証フェーズでは、無料プランでも十分に対応できるケースがあります。
■ 限定ユーザーへの共有ならテスト環境で可能
MVP検証の初期段階では、対象ユーザーは数名〜数十名程度に限定されることがほとんどです。このような限定的な共有であれば、Development版のURLを直接共有することで対応可能です。「一般公開」ではなく「限定共有」であれば、無料プランの制約に抵触することなくユーザーテストを実施できます。
■ ユーザーインタビューやフィードバック収集に必要な機能は揃っている
無料プランでも、フォーム入力、データ保存、条件分岐によるUI変更など、ユーザーインタビューやフィードバック収集に必要な基本機能は一通り利用できます。「この機能は使いやすいですか?」「どの画面で迷いましたか?」といったヒアリングを行いながら、実際にアプリを操作してもらうことで、具体的かつ実践的なフィードバックを得ることができます。
■ 初期検証段階ではデータ量200件以内で収まることが多い
MVP検証の初期段階では、登録ユーザー数やデータ量はそれほど多くなりません。数十名程度のユーザーでテストを行う場合、データベースの200件制限に到達することは稀です。ただし、検証が進むにつれてデータ量が増加するため、上限に近づいてきたら有料プランへの移行を検討しましょう。
【具体例】
- マッチングサービスのコンセプト検証(限定ユーザーでのテスト運用)
- 予約システムのUI/UX検証(社内メンバーやモニターユーザーへの共有)
- SaaSプロダクトの機能検証(初期ユーザー10名程度へのヒアリング)
- 業務改善ツールの現場フィードバック収集
【注意点】
MVP検証が成功し、ユーザー数を拡大して本格的にサービスをローンチする段階では、有料プランへの移行が必須となります。検証フェーズから事業フェーズへの移行タイミングを見極め、適切なタイミングでプランをアップグレードしましょう。
ケース③ 開発ベンダー選定前の技術検証として
3つ目のケースは、ノーコード開発を外注する前に、Bubbleで実現可能かどうかを自社で検証したい場合です。
Bubble開発を外部の開発会社に委託する場合、事前に「自分たちが作りたいものがBubbleで実現できるのか」を確認しておくことは非常に重要です。無料プランを活用して技術検証を行うことで、以下のようなメリットが得られます。
■ 実現したい機能がBubbleで作れるか試せる
「こういう機能を実装したいが、Bubbleで対応できるのか?」という疑問は、実際に手を動かしてみることで解消できます。Bubbleのエディタを触りながら、データベース設計やワークフローの組み方を試してみることで、技術的な実現可能性を事前に確認できます。仮に「これはBubbleでは難しそうだ」と判明した場合、他のツールや開発手法を検討する判断材料にもなります。
■ 開発会社への依頼前に要件を具体化できる
自社でプロトタイプを作成しておくことで、開発会社への要件伝達がスムーズになります。「こういう画面構成で、こういうデータの流れで、こういう機能が必要」という要件を、言葉だけでなく実際に動くアプリとして見せることができるため、認識のズレを防ぎ、より正確な見積もりを得ることができます。
■ 見積もり精度の向上・ベンダーとのコミュニケーション円滑化
開発会社側としても、クライアントが事前にBubbleを触っていると、「この人は技術的な理解がある」「要件が具体的で明確」と判断でき、より精度の高い見積もりや提案が可能になります。結果として、開発プロジェクト全体のコミュニケーションコストが下がり、スムーズなプロジェクト進行につながります。
【具体例】
- 外部APIとの連携可否の確認(決済システム、メール配信サービスなど)
- 複雑な条件分岐を含むワークフローの実装可否テスト
- 特定のプラグインが要件を満たすかどうかの検証
- データベース設計の妥当性確認
【注意点】
バックエンドワークフロー(定期実行処理など)やAPI Connectorを使った本格的な外部連携の検証は、無料プランでは制限があります。これらの機能の検証が必要な場合は、Starterプラン以上への一時的な加入を検討するか、開発会社に検証を依頼することをおすすめします。
当社Swoooでは、Bubble導入を検討されている企業様向けに無料相談を承っております。「自社の要件がBubbleで実現できるか」「どのプランが最適か」といったご相談にも対応しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

Bubbleノーコード開発で有料プランが必要になるタイミング5選

無料プランで開発を進めていても、いずれは有料プランへの移行を検討すべきタイミングが訪れます。ここでは、「このタイミングが来たら有料プランを検討すべき」という5つの判断基準をご紹介します。
以下のいずれかに該当する場合は、無料プランの制約がプロジェクトの進行を妨げる可能性があるため、早めの移行を検討しましょう。
タイミング① アプリを一般公開・商用利用したいとき
最も明確な移行タイミングは、開発したアプリを一般公開したい、または商用利用したいときです。
前述の通り、Bubbleの無料プランでは本番環境(Live版)へのデプロイができません。これは「制限がある」というレベルではなく、そもそも機能として提供されていないため、どのような工夫をしても無料プランのままでは一般公開は不可能です。
「一般公開」とは、不特定多数のユーザーがアクセスできる状態でアプリを公開することを指します。具体的には以下のようなケースが該当します。
- 自社サービスとしてWebアプリをリリースする
- 顧客向けのポータルサイトを公開する
- 会員制サービスの新規登録を受け付ける
- ECサイトや予約システムを運営する
また、「商用利用」も同様に有料プランが必須です。アプリ内での課金機能の実装、広告収益の獲得、有料会員サービスの提供など、ビジネスとして収益を得る目的でBubbleを利用する場合は、最低でもStarterプラン($59/月〜)への移行が必要となります。
コスト最適化のポイントとしては、「公開直前のタイミングで移行する」ことをおすすめします。開発中は無料プランで進め、アプリが完成して公開準備が整った段階で有料プランに切り替えれば、開発期間中の無駄なランニングコストを抑えることができます。
タイミング② サーバーサイド処理や外部API連携が必要になったとき
2つ目のタイミングは、バックエンドワークフローや外部サービスとのAPI連携が必要になったときです。
Bubbleのワークフローには、大きく分けて「フロントエンドワークフロー」と「バックエンドワークフロー」の2種類があります。
■ フロントエンドワークフロー
ユーザーの操作(ボタンクリック、フォーム送信など)をトリガーとして実行されるワークフローです。無料プランでも利用可能です。
■ バックエンドワークフロー
ユーザーの操作とは関係なく、サーバー側で自動的に実行されるワークフローです。有料プラン(Starter以上)限定の機能となります。
バックエンドワークフローが必要になる具体的なシーンとしては、以下のようなものがあります。
- スケジュール実行:「毎朝9時にリマインドメールを送信する」「毎週月曜日にレポートを自動生成する」
- 再帰処理:「大量のデータを一括で処理する」「複数のレコードに対して順番に処理を実行する」
- Webhook受信:「外部サービスからの通知を受け取って処理する」
また、外部サービスとのAPI連携についても注意が必要です。BubbleにはAPI Connectorというプラグインがあり、これを使うことで外部サービスのAPIを呼び出すことができます。無料プランでもAPI Connectorのインストールは可能ですが、本番環境での利用や高度なAPI連携機能は有料プラン限定となっています。
以下のような外部サービス連携を実装する場合は、有料プランへの移行を検討しましょう。
- 決済サービス連携:Stripe、PayPalなどとの連携による課金機能の実装
- メール配信サービス連携:SendGrid、Mailchimpなどとの連携による大量メール配信
- 外部データ取得:Google Sheets、Airtable、外部データベースとの連携
- AI機能連携:ChatGPT(OpenAI API)との連携による生成AI機能の搭載
タイミング③ 保持したいデータ数が200件を超えたとき
3つ目のタイミングは、データベースに保存するレコード数が200件を超えたときです。
Bubbleの無料プランでは、データベースに保存できるレコード数の上限が200件に設定されています。この「200件」という数字は、一見すると少なく感じるかもしれませんが、業務利用においては比較的早い段階で到達する可能性のある数字です。
例えば、以下のようなデータを扱う場合を考えてみましょう。
- ユーザー登録データ:ユーザーが100人登録すれば、それだけで100レコードを消費
- 商品データ:ECサイトで200商品を登録すれば、それだけで上限に到達
- 問い合わせ履歴:問い合わせフォームから1日10件の問い合わせがあれば、20日で上限に到達
- 予約データ:予約システムで1日5件の予約が入れば、40日で上限に到達
しかも、この200件という制限は「Thing(データテーブル)ごと」ではなく、アプリ全体での合計です。ユーザーテーブルに50件、商品テーブルに100件、注文テーブルに50件のデータがあれば、それだけで200件に到達します。
200件を超えると、新しいデータの追加・保存ができなくなります。これは致命的な問題であり、ユーザーが新規登録できない、注文データが保存されない、といった事態が発生します。
有料プラン(Starter以上)に移行すると、データベース容量は無制限となります。データ量の増加が見込まれる場合は、上限に到達する前に早めの移行を検討しましょう。
【補足】
現在のデータ件数は、Bubbleエディタの「Data」タブから確認できます。定期的にデータ量をモニタリングし、上限に近づいてきたら有料プランへの移行を検討しましょう。
タイミング④ ワークロードユニットやストレージ容量の上限を超過したとき
4つ目のタイミングは、ワークロードユニット(WU)やストレージ容量の上限を超過したときです。
■ ワークロードユニット(WU)とは
ワークロードユニットとは、Bubbleの処理量を測定するための独自の単位です。アプリ内でのデータベース操作、ワークフロー実行、API処理、UI変更(コンディショナルの設定)など、サーバーに負荷がかかる処理を行うたびにWUが消費されます。
無料プランでは、月間50,000 WUまでという上限が設定されています。この数字は、個人での学習やテスト利用であれば十分ですが、複数のユーザーが同時にアプリを利用するようなケースでは、比較的早い段階で上限に到達する可能性があります。
WUの上限を超過すると、以下のような問題が発生します。
- アプリのパフォーマンスが低下する(処理速度が遅くなる)
- 一部の機能が制限される
- 最悪の場合、アプリが正常に動作しなくなる
■ ストレージ容量について
無料プランでは、ストレージ容量が0.5GB(500MB)までに制限されています。ストレージには、ユーザーがアップロードした画像やファイル、アプリ内で生成されたデータなどが保存されます。

特に以下のようなアプリでは、ストレージ容量の上限に注意が必要です。
- ユーザーがプロフィール画像をアップロードするアプリ
- 商品画像を多数登録するECサイト
- ドキュメントや資料を保存・共有するアプリ
- ポートフォリオサイトなど画像コンテンツが多いアプリ
WUとストレージの使用状況は、Bubbleの管理画面(Settings → App metrics)から確認できます。上限の70〜80%に近づいてきたら、有料プランへの移行を検討するタイミングと考えてよいでしょう。
有料プランでは、WUとストレージ容量の上限が大幅に拡張されます。また、WUが上限を超過した場合でも、追加購入によって対応することが可能です。
タイミング⑤ 複数の開発バージョンを保持する必要が出てきたとき
5つ目のタイミングは、複数の開発バージョン(ブランチ)を保持して管理する必要が出てきたときです。
プログラミング開発では、Gitなどのバージョン管理システムを使って、複数の開発ブランチを並行して管理することが一般的です。例えば、「本番環境」「開発環境」「機能A開発用」「機能B開発用」といった形で、目的ごとにブランチを分けて開発を進めます。
Bubbleにもバージョン管理機能(ブランチ機能)がありますが、無料プランではこの機能が利用できません。無料プランでは、Development版(開発環境)とLive版(本番環境)の2つの環境のみが提供され、追加のブランチを作成することはできません。
バージョン管理機能が必要になる具体的なシーンとしては、以下のようなものがあります。
- 本番環境と開発環境を分けて運用したい:本番稼働中のアプリに影響を与えずに、新機能の開発・テストを行いたい
- 複数の機能を並行開発したい:機能Aと機能Bを同時に開発し、それぞれ独立してテスト・マージしたい
- チームで分担して開発したい:複数人で担当を分けて開発し、最終的に統合したい
- リリース前のステージング環境を用意したい:本番公開前に、本番と同じ環境でテストを行いたい
有料プランでは、以下のようにブランチ機能が拡張されます。
| プラン | ブランチ数 |
|---|---|
| Free(無料) | なし |
| Starter | 基本のバージョン管理のみ |
| Growth | 10ブランチ |
| Team | 25ブランチ |
複数人でのチーム開発や、継続的な機能追加・改善を予定しているプロジェクトでは、Growthプラン以上への移行を検討しましょう。特に、本番稼働中のサービスに対して継続的に開発を行う場合、バージョン管理機能がないと本番環境に影響を与えるリスクが高まります。
開発フローが複雑化してきた、チームメンバーが増えてきた、というタイミングが有料プランへの移行を検討する目安となります。
よくある質問|Bubbleノーコード無料プランの疑問を解消

最後に、Bubbleの無料プランに関してよくいただくご質問にお答えします。導入検討時の参考にしてください。
Q. Bubbleの無料プランでは何ができますか?
Bubbleの無料プランでは、主に以下のことが可能です。
- ビジュアルエディタでのアプリ構築・UI設計
- テスト環境(Development版)での動作確認
- 基本的なデータベース操作(200件まで)
- フロントエンドワークフローの設定
- プラグインのインストール・利用
- レスポンシブデザインの対応
無料プランは「学習」「技術検証」「プロトタイプ作成」を目的としたプランであり、社内向けのデモやMVP検証など、公開を前提としない用途であれば十分に活用できます。
各機能の詳細については、本記事のH2②「Bubbleの料金プランと無料枠の機能を比較」で詳しく解説しています。
Q. Bubbleを無料プランのまま業務利用するリスクは?
Bubbleを無料プランのまま業務利用する場合、以下のリスク・制約があります。
- 本番デプロイ不可:一般公開・商用利用ができない
- データ上限:200件を超えると新しいデータが保存できなくなる
- パフォーマンスリスク:ワークロードユニット・ストレージ容量の上限が低く、処理速度低下の可能性
- サポート制限:サポート対応が限定的で、問題発生時の対応が遅れる可能性
- ブランディング影響:Bubbleロゴが強制表示される
社内検証やプロトタイプ作成に留める分にはリスクは低いですが、本番運用を想定する場合は有料プランへの移行が必須です。
Q. 社内稟議を通すために必要な料金情報はどこで確認できる?
Bubbleの料金情報は、以下の方法で確認できます。
【公式情報】
Bubble公式サイトの料金ページ(https://bubble.io/pricing)で、最新のプラン料金と機能比較を確認できます。
【本記事の比較表】
本記事のH2②「有料プラン(Starter / Growth / Team)との違い早見表」でも、各プランの料金と機能差を一覧表にまとめています。
【稟議時のポイント】
- 年払いと月払いで料金が異なる(年払いの方が割安)
- プランごとの機能差を明確にする
- 初期費用は不要で、月額課金のみ
- プランはいつでもアップグレード・ダウングレード可能
これらの情報を整理して稟議資料を作成することをおすすめします。
Q. 無料プランから有料へ切り替えるべきタイミングは?
以下のタイミングに該当したら、有料プランへの切り替えを検討しましょう。
- アプリを一般公開・商用利用するとき(必須)
- データ量が200件に近づいてきたとき
- ワークロードユニットやストレージ容量の上限に近づいたとき
- バックエンドワークフローや外部API連携が必要になったとき
- 複数人でのチーム開発やバージョン管理が必要になったとき
特に①は無料プランでは物理的に不可能なため、公開を予定している場合は必ず有料プランへの移行が必要です。
各タイミングの詳細については、本記事のH2④「Bubbleノーコード開発で有料プランが必要になるタイミング5選」で詳しく解説しています。
ノーコードツールBubbleの無料プランについて:まとめ
本記事では、Bubbleの無料プランでできること・できないこと、有料プランとの違い、そして有料プランへ移行すべきタイミングについて解説してきました。
Bubbleの無料プランは、社内検証やプロトタイプ作成の用途であれば十分に活用できます。ビジュアルエディタでのアプリ構築、テスト環境での動作確認、基本的なデータベース操作など、開発に必要な基本機能は一通り揃っています。
ただし、以下のケースでは有料プランへの移行が必要です。
- アプリを一般公開・商用利用したいとき
- 保存するデータ件数が200件を超えるとき
- バックエンドワークフローや外部API連携が必要なとき
- ワークロードユニットやストレージ容量の上限を超過したとき
- 複数の開発バージョンを保持する必要があるとき
Bubble導入を検討されている企業様にとって、最もコストパフォーマンスの良いアプローチは「無料プランで開発・検証を進め、公開のタイミングで有料プランに移行する」という流れです。開発段階から有料プランに加入する必要はなく、公開直前のタイミングで移行すれば、無駄なランニングコストを抑えることができます。
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