ソフトウェア開発のプロセスとは?工程と開発手法を徹底解説!
ソフトウェア開発を最適化したいけど、目的や具体的な方法がわからず悩んでいる方もいるでしょう。ほかにも、ソフトウェア開発の工程や種類を知りたい方もいるのではないでしょうか。
この記事では、ソフトウェア開発プロセスを最適化する理由や、具体的な方法、工程、種類を解説します。ソフトウェア開発を最適化するために必要な情報がわかる記事です。ぜひ最後までご覧ください。
目次
ソフトウェア開発プロセスを最適化する理由6つ
ソフトウェア開発プロセスを最適化する理由は以下のとおりです。
- リソースを減らせる
- 品質の確保できる
- 複数の開発者間での作業を効率化する
- クライアントとベンダーでシステム開発を共有できる
- これまでの経験を次のプロジェクトに活かせる
- メンバー間の認識のずれをなくす
上記の理由を知っておくと、より目的意識をもってソフトウェア開発のプロセスを最適化できます。
①リソースを減らせる
ソフトウェア開発プロセスを最適化すると、開発に必要なリソースを削減可能です。
実施可能な戦略には、プロジェクトの範囲を変更することで、開発する機能の数を減らしたり、完全に変更したりするケースがあげられます。ほかには、情報の流れを合理化し、重複を排除して、開発プロセスを単純化・標準化する戦略も。
開発効率を改善することは、プロジェクトを完了するために必要なリソースの数を減らす点にも役立ちます。効率的なプロセスを導入することで、開発にかかる時間や人員を最小限に抑えられるでしょう。
②品質を確保できる
最適化された開発プロセスでは、品質管理が徹底されます。ソフトウェア開発プロセスの最適化は、品質確保に不可欠です。品質確保のために必要なポイントには以下があげられます。
- プロセスの明確な定義
- プロセスの監視と改善
- テストツールの使用
- 効果的なコミュニケーションの確保
- トレーニングとサポートの提供
上記を組み合わせると、バグやエラーを事前に発見し、品質の高いソフトウェアを開発できるでしょう。
③複数の開発者間での作業を効率化できる
ソフトウェア開発は複数の開発者が関与する場合があります。複数の開発者間の効率を向上させるためには、開発プロセスを明確な定義が重要です。開発プロセスの明確化により、経験の浅い開発者でもワークフローを容易に理解できます。
見積もりと実際の作業の不一致、仕様策定段階での手戻りの多さ、テスト工程の遅さなど、開発プロセスでよくある課題への対処も重要です。プロジェクトごとのニーズを把握することで、効率的な連携を図れるでしょう。
④クライアントとベンダーでシステム開発を共有できる
ソフトウェア開発プロセスの最適化により、クライアントとベンダー間での情報共有が円滑に行われます。開発プロセスは、ウォーターフォールモデル、アジャイルモデル、スパイラルモデル、反復モデルなど種類はさまざまです。
システム開発プロセスの最適化により、要件の明確化や進捗の共有など、双方のコミュニケーションをスムーズにできるでしょう。
⑤これまでの経験を次のプロジェクトに活かせる
最適化された開発プロセスでは、過去のプロジェクトで得た経験やノウハウを次のプロジェクトに活かせます。
たとえばアジャイル開発では、プロジェクトの管理手法とチームコラボレーションを頻繁に点検し、次のプロジェクトに活かすケースが多いです。具体的には、必要最小限の機能を備えた製品を作成し、ユーザーからフィードバックを得て、より完全な製品やサービスを改善・開発します。
⑥メンバー間の認識のずれをなくす
ソフトウェア開発プロセスを最適化し、メンバー間の認識の違いをなくすためには、以下の手順が考えられます。
- プロトタイプの段階で、チームメンバー間の認識の違いを特定し、対処する
- 無駄を省き、必要なことだけに集中するリーンソフトウェア開発の原則を適用する
- アジャイル開発を用いて、高品質のソフトウェアを迅速に提供する
- エラーや理解の相違が生じたときに、それを特定して対処するスパイラル開発手法を用いる
- 効果的にチームを編成し管理するために、プロジェクト管理技法を適用する
上記の手順を踏むと、メンバー間の認識のずれをなくしたり、修正したりしやすくなるでしょう。チームは開発プロセスを最適化し、ソフトウェアの品質を向上させられます。
ソフトウェア開発プロセスの最適化方法5つ
ソフトウェア開発プロセスを最適化する方法は以下のとおりです。
型 | 特徴 |
---|---|
スパイラル型 | 反復的な開発を行いながらリスクを最小化する |
アジャイル型 | 機能単位の小さいサイクルで繰り返し開発を進める |
ウォーターフォール型 | フェーズごとに順序立てて開発を進める |
プロトタイプ型 | 早期に試作品を作成し、顧客のフィードバックを得ながら開発を進める |
DevOps | 開発と運用を一体化させる |
上記のソフトウェア開発方法を把握していると、プロセスをより最適化できるでしょう。
①スパイラル型
スパイラル型の開発プロセスは、反復的な開発を行いながらリスクを最小化する方法です。サブシステムごとに設計とプロトタイプ開発が繰り返します。
評価・レビューの結果として生じた仕様変更や追加の要件を、次のスパイラルで受け入れることが比較的容易であるため、仕様・スケジュール変更への柔軟な対応が可能とされています。スパイラル型開発の特徴として、以下が挙げられます。
- システムを機能ごとに分割して、重要な機能から開発していく
- サブシステムごとに設計とプロトタイプ開発が繰り返される
- サブシステムごとに評価・レビューを実施する
- 仕様・スケジュール変更への柔軟な対応が可能
スパイラル型開発は、仕様・スケジュール変更への柔軟な対応が可能であるため、プロダクトの仕様変更、開発スケジュールの変更に比較的柔軟に対応可能というメリットがあります。
②アジャイル型
アジャイル型の開発プロセスは、柔軟な開発方法です。従来のウォーターフォール型開発とは異なり、機能単位の小さいサイクルで繰り返し開発を進める点が特徴にあげられます。アジャイル型は、開発途中の仕様・要件変更に柔軟に対応できることから、多くのプロジェクトで導入されています。
アジャイル型を採用すると、優先度の高い要件から順に開発を進めていき、開発した各機能の集合体として1つの大きなシステムを形成できるでしょう。
仕様の抜け漏れが発覚した場合や開発途中で要求に変更があった場合、1つ前の工程からやり直すことになるデメリットはあるものの、開発期間を短縮しやすい開発方法です。
アジャイル型開発をさらに詳しく知りたい方は「【基礎知識】アジャイル開発とは?特徴や全体像、失敗しないポイントも解説」をご覧ください。
③ウォーターフォール型
ウォーターフォール型の開発プロセスは、フェーズごとに順序立てて開発を進める方法です。「要件定義・仕様」「外部設計」「内部設計」「開発・システム実装」「テスト」「運用」といった基本的な工程を上から下に流れるように進めます。
ウォーターフォール型開発は、品質を重視する際や、大規模な開発に最適なシステム開発手法として使用されるケースが多いです。ほかにも、スケジュール管理が行いやすいことから、コンピューターのOSといった規模の大きな開発でも対応できます。
ウォーターフォール型開発では、最初に全体像が完成している分、仕様や計画を簡単に変更できない点に注意が必要です。
ウォーターフォール型開発をより詳しく知りたい方は「【徹底解説】ウォーターフォール型開発とは?メリット・デメリット、意味を徹底解説!」をご覧ください。
④プロトタイプ型
プロトタイプ型の開発プロセスは、早期に試作品を作成し、顧客のフィードバックを得ながら開発を進める方法です。
開発期間中早い段階でシステムのプロトタイプを作成し、クライアントやユーザーからのフィードバックを受けます。完成イメージが固まるまでプロトタイプの開発と評価を繰り返し、本番の設計・開発に着手する流れです。
プロトタイプ型開発のメリットは、早い段階で完成品のイメージを共有できることや、開発にかかるコストを低減できる点です。デメリットには、プロトタイプの修正によって開発期間が長引くことや、プロトタイプの完成度が低い場合には本番の完成度も低くなる可能性があげられます。
⑤DevOps
DevOpsは、「開発(Development)」と「運用(Operations)」を組み合わせた造語で、開発と運用を一体化させる方法です。
開発チームと運用チームのチームワークを重視し、柔軟でスピーディなシステム開発を実現します。DevOpsには特定のツールやワークフローだけでなく、組織文化やマインドセットの一体化も重要です。
DevOpsの目標は、ソフトウェアをより迅速かつ確実にエンドユーザーに提供することで、ビジネス価値を高めること。
アジャイル開発と比較されるケースが多く、アジャイル開発が特定の開発方法論であるのに対して、DevOpsは組織的側面を含むより広い概念を指します。
ソフトウェア開発プロセスの具体的な工程6つ
ソフトウェア開発のプロセスは以下のとおりです。
- ヒアリング
- 要件定義
- 設計
- テスト
- 納品
- 保守
上記の工程を把握しておくと、ソフトウェア開発のプロセスを最適化しやすいでしょう。
①ヒアリング
ヒアリングとは、クライアントやエンドユーザーから、ソフトウェアに対する要求について情報を収集する工程を指します。ソフトウェアがクライアントやエンドユーザーのニーズを満たすことを保証するのに役立つため、開発プロセスにおける重要な工程です。
ヒアリングのプロセスでは質問に対する答えを注意深く聞き、不明な点を明確化。ヒアリングで収集された情報は、次の要件定義に活かすための文書や資料の作成に使用されます。
②要件定義
要件定義とは、ソフトウェア開発のプロジェクトを開始する前に、必要な機能や要求条件を明確に定義する工程を指します。要件定義は、開発するシステムの指針を決めて、その指針に沿って会社の課題解決を実現していくのに必要な工程です。
要件定義を作成する主な流れは、ユーザーへのヒアリング、要求内容の分析、要件定義書の作成の3つの工程があります。ヒアリングで得た要件を基に、システムの仕様や機能を具体化し、要件の整理や優先順位を設定する流れです。
要件定義は、システム開発の工程の中でも最も重要なフェーズであり、正しく行うことがシステム開発の成功につながるでしょう。
要件定義に関してさらに詳しく知りたい方は、「【徹底解説】システム開発において要件定義とは?やり方を5ステップで解説!」をご覧ください。
③設計
設計は、前工程の要件定義で決められた内容を基に、開発するソフトウェアの仕様を決める工程です。設計で検討する項目には以下があげられます。
- 入出力の方法(データベースまたは画面)
- 処理方法
- テストの方法
- 運用方法
- セキュリティ確保の方法
- 納品後の保守メンテナンス
大規模プロジェクトでは、機能をシステム・サブシステム・プログラムに分けて整理するのが一般的です。開発サイドとユーザーのレビュー後に基本設計書としてまとめられたものが、システムの内部設計に使用されます。
④テスト
テストは、ソフトウェアが正しく機能し、要件や仕様を満たしているか確認する工程です。ソフトウェア開発プロセスで実施されるテストには、以下の種類があげられます。
- 単体テスト
ソフトウェアの個々のコンポーネントやモジュールが仕様通りに正しく動作するかどうかを検証するテスト - システムテスト
ソフトウェアシステム全体が仕様どおりに正しく動作しているかどうかを検証するテスト - 統合テスト
ソフトウェアの個々のコンポーネントやモジュールが、互いに統合されたときに正しく動作するかどうかを検証するテスト - 受け入れテスト
ソフトウェアが要件と仕様を満たし、配備の準備ができているかどうかをエンドユーザーやクライアントが検証するテスト
ほかにも、セキュリティテスト、ユーザビリティテスト、耐障害性テスト、パフォーマンステストなどがあります。
⑤納品
テストが完了したシステムを顧客に納品します。システムを本番環境にデプロイする。この段階の成果物は、インストール手順書、ユーザーマニュアル、リリースノートなどが代表例です。システムの導入や運用に必要なドキュメントの作成が行われます。
⑥保守
納品後のシステムの保守・運用を行います。保守の工程では、バグの修正、新機能の追加、ユーザビリティや可用性の向上など、ソフトウェアの改善が中心。ソフトウェア開発の発注では、保守・運用の側面を考慮することも重要です。
ソフトウェア開発の種類3つ
ソフトウェア開発の種類は以下のとおりです。
- 組み込みシステム
- アプリケーション開発
- Webシステム開発
上記の開発の種類を把握しておくと、ソフトウェア開発をより最適化しやすいでしょう。
①組み込みシステム
組み込みシステムは、家電製品や産業機器などの機械を制御するために埋め込まれたソフトウェアのことで、内部の基盤に書き込まれたプログラムに従い、機器を正しく動作させる役割を持ちます。
組み込みシステムの開発には、C言語やアセンブリ言語などのプログラミング言語が使用されるケースが多いです。開発はパソコン上で行われ、開発したプログラムは組み込み機器に移設され、組み込み機器上で動作の検証が行われます。
組み込みシステムの開発には、プログラミングスキルやハードウェアに関する知識が必要であり、組み込みエンジニアと呼ばれる専門家が開発を担当します。
②アプリケーション開発
アプリケーションはパソコンやスマートフォンなどのデバイス上で動作するソフトウェアの開発です。アプリケーションは、ビジネスアプリケーションやゲームなどが代表例です。
「ソフトウェア開発」と「アプリ開発」という用語は同じ意味で使用されるケースもあり、アプリ開発はソフトウェア開発のサブセットです。特にモバイルデバイスまたはWeb用のアプリケーションの作成に重点を置いています。
③Webシステム開発
Webシステム開発は、インターネット上で動作するシステムの開発です。WebサイトやECサイト、SNS、Webアプリやスマートフォンアプリなどが含まれます。
Webシステム開発は、クライアントマシンをインターネットに接続して利用することを前提に、Web環境にシステムを構築する開発です。
まとめ:ソフトウェア開発を最適化すると工程が効率的になる
ここまでソフトウェア開発の工程を最適化する目的や方法、手法を解説しました。ソフトウェア開発を最適化すると、より効率的に業務が進み、修正をはじめとした追加の業務を減らせます。質の高いソフトウェアをより早期にクライアントへ納品できるでしょう。
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