【徹底解説】ウォーターフォール型開発とは?メリット・デメリット、意味を徹底解説!
ウォーターフォール型開発とは、システム開発やソフトウエアの開発においてしばしば聞かれる言葉ですが、あまり馴染みがない方も多いのではないでしょうか。
また、名前は知っているけどどういう開発なのか分からない、どんな特徴があるのか知りたい方もいるでしょう。
この記事ではポピュラーな開発手法であるウォーターフォール型開発について、初心者の方にも分かりやすく説明します。
この記事を読むことでウォーターフォール型開発についての全体像を理解できます。
目次
ウォーターフォール型開発とは?
ウォーターフォール型開発(ウォーターフォールモデル)とは、ソフトウェア開発やシステム開発で用いられる開発手法の一つです。
ソフトウェアやシステムの開発では様々な手順や工程において開発を進めていきますが、ウォーターフォール型開発は古くからエンジニアが開発現場でよく用いている手法です。
以下の図をご覧ください!
「ウォーターフォール」は英語で「滝」のことで、図表のように上から流れるように工程を進めることから名付けられました。
ウォーターフォール型開発(ウォーターフォールモデル)は以下の手順で行われます。
- 要求定義(企画・計画)
- 外部設計
- 内部設計
- 開発(実装)
- テスト
- 運用(リリース)
上記のように、上流工程から順番に下の工程に移っていくのがウォーターフォール型開発(ウォーターフォールモデル)の特徴です。
ウォーターフォール型が向いている開発
ウォーターフォール開発は事前に工程やコスト、人員などを決めておくので品質が重視される開発に適しています。また、進捗などの管理を厳格に行えるので、大規模開発でも採用されることが多いです。
具体的には家電や自動車などハードウェアかつ、故障などのトラブルを避けたい商品の開発に使われます。これらの商品は故障による利用者への悪影響が大きく、品質が重要です。
また、大規模なシステム開発では手順通りに開発を進める必要があります。時間がかかることも前提となる開発は、ウォーターフォール型が向いています。
ウォーターフォール型開発(ウォーターフォールモデル)のメリット
ここからウォーターフォール型開発のメリットについて見ていきましょう。
ウォーターフォール型開発のメリットは4つあります。
- 品質を担保しやすい
- スケジュールを立てやすい
- 予算・人材を管理しやすい
- 次人材へ引き継ぎやすい
ウォーターフォール型の開発にどんな強みがあるか、しっかり把握しましょう。
ウォーターフォール型開発のメリット1:品質を担保しやすい
1つ目は、品質の担保をしやすい点です。
テストを繰り返して次の段階に進むため、障害の発生を最小限に抑えられます。
そのため、障害の発生が許されないシステムの開発などはウォーターフォール型開発が好まれる傾向です。
ウォーターフォール型開発のメリット2:スケジュールを立てやすい
2つ目は、スケジュールを立てやすい点です。
プロジェクトが始まる前に要件定義をし、早期段階でやるべきことを明確にしてから計画を立てるのでスケジュールを立てやすくなります。
また、俯瞰してプロジェクトを把握できるので、プロジェクトを開始した後の進捗を管理しやすい事も大きな利点です。
ウォーターフォール型開発のメリット3:予算・人材を管理しやすい
3つ目は、予算・人材を管理しやすい点です。
ウォーターフォール型開発ではあらかじめスケジュールが組まれて全体像を俯瞰でき、予算やシステムエンジニアの手配をスムーズに行えます。
プロジェクトの開発当初に見積もりを出し、計画通りに工程を進めていくため、人員の配置や予算がどれくらいかかるのかなどを把握しやすいです。
ウォーターフォール型開発のメリット4:引き継ぎがしやすいため、保守性が高い
4つ目は、次の人材へ保守などの引継ぎがしやすい点です。
前工程を完了後に次の段階に進むので、プロジェクトの参加者が変更になった場合も引継ぎがしやすくなります。
また、各工程の作業が割り振られている点も引継ぎをするうえで有利です。
ウォーターフォール型開発のデメリット4選
次にウォーターフォール型開発のデメリットについて見ていきましょう。ウォーターフォール型開発のデメリットは次の4つがあります。
- 開発が長期化しやすい
- 仕様・計画を変更しにくい
- 計画管理書類の作成が大変になる
- ユーザーの意見を反映させにくい
これらのデメリットを把握していないと、ウォーターフォール型の開発で、防げる問題が発生する可能性があります。
ウォーターフォール型開発のデメリット1:開発が長期化しやすい
1つ目は、完成までに時間がかかる点です。
ウォーターフォール開発では企画や要件定義を最初に行ってから開発を開始します。開発が始まってからも、前工程をベースにして開発を進めるためにどうしても時間がかかってしまいます。
プロジェクトによっては何年もかけてシステムを開発する事例もあります。
ウォーターフォール型開発のデメリット2:仕様・計画を変更しにくい
2つ目は、計画の変更がしにくい点です。
プロジェクトの最初に全体像が完成しているため、計画や仕様を容易に変更できません。開発の途中で変更したい場合には、膨大な労力とコストがかかってしまうこともあります。
ウォーターフォール型開発のデメリット3:計画管理書類の作成が大変になる
3つ目は、WBS(計画管理資料)の作成に時間がかかる点です。
ウォーターフォール開発では、各工程で分業しているためWBSも各工程のタスクごとに作成する必要があります。また計画が変わってスケジュールに変更が出た場合などにはWBSを作り直さなければなりません。
スピーディーな開発をしたい場合には不向きといえます。
ウォーターフォール型開発のデメリット4:ユーザーの意見を反映させにくい
4つ目は、ユーザーの意見を反映させにくい点です。
最初に段階でユーザーのイメージがアバウトな状態で開発を始めてしまうと、最終的に市場に出す際には思ってたものと違ってしまったり、ユーザーから必要とされないプロダクトになってしまいます。
結果、投資した金額を回収できないため、必要とされない製品になる可能性があるでしょう。
そのため、ウォーターフォール型の開発をする際は、最初の要件定義の段階でユーザー分析をすることが大事です。
ウォーターフォール開発とアジャイル開発の違いは?
アジャイル開発は開発から実装、テストの工程を素早く進める開発です。ウォーターフォール型のように工程や予算などを厳格に決めるわけではないため、小規模なプロジェクトや簡単なアプリ開発に適しています。
開発を進めながら細部の設計を決められるため、クライアントからの要望にも柔軟に対応可能です。設計にあえて余白を残している点が、開発の流れや内容を細かく決めるウォーターフォール開発との違いと言えます。
納期が短い場合など、開発にスピードが求められる際にアジャイル開発が採用されることが多いです。
アジャイル開発とウォーターフォール型開発の違いを、さらに詳しく知りたい人には「ウォーターフォール開発とアジャイル開発の違いは?」を参考にしてみてくださいね
ウォーターフォール型開発の流れ
ウォーターフォール型の開発は、基本的に以下の流れで進みます。
- 要件定義
- 基本設計
- 実装
- 単体テスト
- 結合テスト
- 受入テスト
これからシステム開発を考えている方はあらかじめ開発の手順を知っておくと、よりスムーズに計画が立てられるでしょう。
step1:要件定義
開発の最初の段階では、クライアントへのヒアリング調査が行われます。
クライアントがどんな性能や機能を求めているのか、どんな悩みや解決したい課題を抱えているのかを知ることが開発には欠かせません。
聞き取った情報をもとに開発側がどんな開発が実現できるか、また、開発における工程や人員、予算などを決めていき、要件定義書を作成します。
ウォーターフォール型開発において、一番上流となる要件定義が最も重要です。
ここで開発業者とクライアントの間の認識に齟齬がないかをしっかり確認することが欠かせません。
ウォーターフォール型開発では次の工程に進む際には前段階の工程を前提に作業が進められていくので、問題が発生した場合は大きな時間や作業のロスに繋がります。
最初の要件定義はクライアントと入念な打ち合わせが必要です。
step2:基本設計
要件の定義が確定したら基本設計です。
ヒアリング調査で聞き取ったクライアントの要望を満たす機能や製品を、どのように作っていくかを決めます。実装する機能は要件定義書をもとに決めていきます。
基本の設計が出来たら基本設計書を作成し、クライアントと共有することがこの段階での重要な作業です。ここで仕上がりのイメージや機能に齟齬がないかクライアントと確認し、基本設計を確定したら詳細の設計に入ります。
詳細設計では開発者や内部者に向けて情報を共有し、どのような開発でプログラムを動作させるかを決めていくのです。異常が発生した場合の対処法も、詳細にフローを記載しておきます。
step3:実装
次の段階では実際にプログラマーやエンジニアがプログラミングをしていきます。前段階で作成した基本設計書や、詳細設計書をもとにして開発を進めるのです。
この段階では、プログラマーがプログラムのコードの作成をし、クライアントの要望に合った機能を実装していきます。
step4:単体テスト
単体テストでは前段階で作成したプログラムのコードを、実際に作動するかどうかを確認します。プログラミングで完成した機能単体がエラーなく作動しているか、または想定通りに機能しているかなど性能を評価します。
ここで異常が発生した場合は、詳細設計書に記載した異常発生時の処理方法に従って問題を解決することになるでしょう。
step5:結合テスト
結合テストは単体テストで想定通りに作動した機能を連結して、異状なく機能が作動するかを確認する作業です。一つ一つの成果物が連結された場合に、エラーなくスムーズに動作することがゴールとなります。
step6:受入テスト
受入れテストは本番と同じ環境で、エラーなく作動するかどうかを確認する作業です。
最終工程に入るので、特に注意を払って本番と同じ環境でテストを行う必要があります。
本番でエラーが生じた場合には余計に工数や時間がかかり、膨大な時間やコストのロスが出ることを念頭に置かなければなりません。
受入テストが終わると本番環境にリリースすることになり、実際の運用とその後のメンテナンスを行います。
まとめ:ウォーターフォール型開発で高品質なシステムを制作しよう
ソフトウエアの開発で用いられるウォーターフォール型開発は、プロジェクトを工程ごとに分けて一つ一つ確実に工程をこなしていく手法です。障害発生を最小限に抑えた、完成度の高い製品を開発できます。
ウォーターフォール型の開発ではプロジェクトの最初に全体像を把握して進めるために、計画や仕様を途中で容易に変更できないデメリットもあるため、最初の工程では慎重な作業が必要です。
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