【基礎】Webアプリに必要なサーバーとは?構成とメリット・デメリットについて解説
そもそもサーバーってなんだろう?、Webアプリケーションってどんな仕組みでできているのか、また、そこからどの仕組みを選んだらよいか気になりますよね。
そこで、今回の記事では、Webアプリケーションの仕組み2選とそれぞれのメリット・デメリットについて、わかりやすく解説していきます。この記事をよめば、きっとサーバーについて理解でき、Webアプリケーションの構築に役立つでしょう。
また、『Webアプリケーション』の詳細についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事が参考になります!
目次
そもそもサーバーとは?
簡単にいうと『ユーザーにサービスを提供しているコンピュータ』です。
コンピュータ自体は、普段みなさんが使用しているものと遜色はありません。ユーザーからの要求に対して、応答を返す役割を担っており、インターネットを介して、ユーザーとつながっています。
仕組みとしては『自販機』に似ています。お金を入れて、ボタンを押すと、飲み物が出てきますよね。この「ボタンを押す」という情報をもとに、「飲み物を出す」という作業をサーバーが行っています。
「Webアプリケーションだけでも難しいのに、サーバーも勉強する必要があるのか、、」と思われた方には、レンタルサーバーがオススメです。サーバーを業者から借りるサービスのことで、管理が不要になったり、初期コストを抑えられたりします。
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Webアプリケーションの仕組み2選
Webアプリケーションを作成する際、仕組みは大きく2つあります。『Web3階層モデル』と『1台構成』です。構成パターンは、開発規模や予算、負荷によって決まります。自身のサービスに合った構成を選びましょう。
Web3階層モデル
かんたんにいうと『サーバーが3つある仕組み』です。
なぜ、サーバーを3つに分けているかと言うと、それは、負荷を分散するためです。システム規模が大規模である場合、1つサーバーでは負荷が集中してしまい、回線が重くなってしまいます。
それを避けるために、3つに分散しているのです。各サーバーのパフォーマンスを最大限発揮できます。
また、サーバーは3種類に分類できます。『Webサーバー』『アプリケーションサーバー』『データベースサーバー』です。それぞれ担う役割が異なります。詳しくは、下記にわかりやすく解説しております。
Webサーバー
かんたんにいうと『ユーザーとのやりとりを行うコンピュータ』です。ユーザーからの要求を受け取り、アプリケーションサーバーに渡す、アプリケーションサーバーからその結果を受け取り、最後ユーザーに返す役割を担っています。
Webサーバーを構築するには、コンピュータにWebサーバーソフトウェアをインストールする必要があります。また、インストールすることで、3つの機能を取得できます。ログ取得、アクセスコントロール、SSL通信です。
✔ログ取得
誰がいつどんなデータを要求したか知ることができる
✔アクセスコントロール
アクセス権の制御を行う
✔SSL通信
認証と暗号化を行える
Webサーバーは、常にインターネットに接続しています。ゆえに、外部から攻撃される可能性が最も高いです。そのため、このような機能を備えています。
アプリケーションサーバー
かんたんにいうと『プログラムを実行するコンピュータ』です。中間に位置しているだけあって、Webサーバーからユーザーの要求を受け取り、必要なデータがあれば、データベースサーバからデータを取得する役割を担っています。
アプリケーションサーバーを構築するには、コンピュータにアプリケーションサーバーソフトウェアをインストールする必要があります。代表的なものでいうと、Tomcat、Oracle WebLogic Serverなどがあります。
また、システムの規模によっては、Webサーバーとアプリケーションサーバーを1つにすることもできます。
データベースサーバー
かんたんにいうと『情報を集めて、整理しているコンピュータ』です。情報の検索や追加、更新、削除がしやすいように、データを管理しています。
データベースサーバーとして活用するには、DBMSをコンピュータにインストールする必要があります。DBMSとは『データを管理するためのソフトウェア』です。ちなみに、近年、最も利用されているDBMSは、RDBMSです。
仕組みとしては、まず、データベースサーバーは、アプリケーションサーバーからの要求を受け取ります。
その要求をもとに、データベースサーバーは、データベースから必要な情報を検索したり、追加したり、更新したりします。そして、最後に、その結果をアプリケーションサーバーに返します。
データベースには、重要なデータや個人情報など格納されているため、接続時には認証が必要になることが大半です。覚えておきましょう。
1台構成
かんたんにいうと『3つの機能を1つのコンピュータに集約したもの』です。3つの機能とは、上記でも紹介した、Web・アプリケーション・データベースです。それらの機能を1台のコンピュータにまとめてしまっています。
サービスを提供するためのコンピュータは1つしかありません。ゆえに、1台のコンピュータに負荷が集中してしまうため、システム開発規模が小さめなである必要があります。
それぞれの構成のメリット・デメリット
さて、ここまで『Web3階層モデル』と『1台構成』について解説してきましたが、ここからは、それぞれの構成のメリット・デメリットについて解説していきます。この章を読むことで、どちらの構成を選べばよいか、より明確になるでしょう!
Web3階層モデル
メリット
主に2つあります。『変更部分や問題箇所を特定しやすいこと』と『各コンピュータの機能を最大限発揮できること』です。
✔変更部分や問題箇所を特定しやすい
たとえば、アプリのロジックを変更したいとします。ここでいうロジックとは『処理のこと』です。ロジックを変更したい場合、コンピュータが1つであると、3つの機能が複雑に絡み合っているため、変更したい部分が特定しづらくなります。
しかし、コンピュータが3つ、役割ごとに分かれていると、変更したい部分はアプリケーションサーバーとすぐに特定できます。
✔各コンピュータの機能を最大限発揮できる
Web3階層モデルでは、負荷が3つに分散されています。ゆえに、1つ1つのコンピュータが、Web・アプリケーション・データベース、それぞれの機能だけに集中できます。
デメリット
主に2つあります。『費用がかかること』と『オーバーヘッドが発生すること』です。
✔費用がかかる
Web3階層モデルでは、Web・アプリケーション・データベース、3つの役割を担うための3つのコンピュータが必要になります。
1台構成の場合、1台のコンピュータで、サービスを実現するため、スペックは高めです。しかし、Web3階層モデルのほうが3台もあるため、コストがかかってしまいます。
✔オーバーヘッドが発生する
オーバーヘッドとは、かんたんにいうと『余計な処理のこと』です。たとえば、ミカンを食べたいとします。ミカンを食べることが目的ではありますが、その前に皮をむかなければなりません。
この皮をむくという作業が、オーバーヘッドです。Web3階層モデルでは、3つのコンピュータがやりとりを行っています。その分、余分なやり取りが増えてしまうのです。
1台構成
メリット
主に2つあります。『初期コストを抑えられること』と『サーバーの手入れに時間がかからないこと』です。
✔初期コストを抑えられる
1台構成では、コンピュータは1つです。コンピュータの台数は少ないため、必然的にコストはかかりません。社内システムなど利用者が少ない場合におすすめします。
✔サーバーの手入れに時間がかからない
Web3階層モデルでは3台、1台構成では1台のコンピュータを使用します。仮にサーバーを修理することになった場合、単純計算で、作業時間や手間が、3倍かかってしまいます。
デメリット
主に2つあります。『他機能への影響が懸念されること』と『高負荷』です。
✔他機能への影響が懸念される
Web・アプリケーション・データベース、いずれかの機能に変更を加える場合、コンピュータ自体は1つであるため、他機能への影響が懸念されます。
どこかの機能が止まってしまうと、システム全体が停止してしまうからです。注意しなければなりません。
✔高負荷
1台のコンピュータで、3機能を担っているため高負荷がかかってしまいます。1機能の負荷が高くなったとしても、他の機能も高負荷がかかることになるため、スペックに少し余裕をもたす必要があります。
Webアプリに必要なサーバーとは?構成とメリット・デメリットについて解説 まとめ
今回は、Webアプリケーションに必要なサーバーとその構成、メリット・デメリットについて解説してきましたが、いかがでしたか。
構成は『Web3階層モデル』と『1台構成』の2パターンありました。Web・アプリケーション・データベース、機能ごとに3つのコンピュータを利用するのが、Web3階層モデル。1つのコンピュータに集約したものが、1台構成です。
メリット・デメリットについても解説しました。最適なWebアプリケーションの構成を選択する際の参考になると思います。再度、見返してみると良いでしょう。