スクラッチで始めるWebアプリ開発!初心者でも簡単に作れる手順とポイント
スクラッチでWebアプリ開発をしたいと考えているが、具体的にどんな方法なのかやメリット・デメリットは何なのか知りたい方もいるでしょう。開発手法やメリット・デメリットがわかっていないと適切で効率的な開発を進めにくいです。
この記事では、スクラッチ開発の内容やメリット・デメリット、初心者でも簡単につくれるポイントを解説します。スクラッチ開発に関して詳しくなれる記事です。ぜひ最後までご覧ください。
この記事からわかること
・スクラッチ開発の概要
・パッケージ開発との違い
・スクラッチ開発のメリット、デメリット
・スクラッチ開発の流れ
Webアプリケーションに関して詳しく知りたい方には「【徹底解説】Webアプリケーションとは? 仕組みと作り方を解説!」がおすすめです。
目次
スクラッチ開発とは?
スクラッチ開発とは、システムやソフトウェアをゼロからオーダーメイドで開発する方式のことを指します。スクラッチ開発のメリット・デメリットを以下の表にまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
・業務にぴったり合ったシステムを開発できる ・独自性の高いソフトウェアを作成できる ・既存の製品や雛形を使うことなく、他社との差別化ができる | ・開発期間が長い ・金銭コストが高額になる ・開発ベンダー選びが難しい |
開発期間やコストはかかりますが、独自性の高いシステムやソフトウェアを開発できる点が強みです。
Webアプリ開発の手順など、基礎的な内容が知りたい方は「【基礎】アプリ開発の具体的な7つの手順とは?公開する時のポイントも3つ紹介」をご覧ください。
パッケージ開発との違い
スクラッチ開発とパッケージ開発は、既存システムを活用するか否かが最大の違いです。違いを以下の表にまとめました。
違い | スクラッチ開発 | パッケージ開発 |
---|---|---|
システム開発 | システムをゼロから開発することで、独自性の高いシステムを作れる | 既存システムに機能を追加する形で手掛ける |
開発期間 | 長い | 短い |
コスト | 高くなりやすい | 抑えやすい |
差別化 | 容易 | 難しい |
スクラッチ開発とパッケージ開発は、どちらもメリット・デメリットがあるため、業務の優先度やビジョンによって、どちらの開発手法を選択するかが重要です。
スクラッチでのWebアプリ開発のメリット3つ
スクラッチでのWebアプリを開発するメリットは以下のとおりです。
- 自由度が高い
- 学習コストが低い
- カスタマイズ性が高い
上記のメリットを把握しておくと、スクラッチでのWebアプリ開発をより効果的に進められるでしょう。
①自由度が高い
スクラッチ開発には、開発の自由度が高いメリットがあります。スクラッチ開発では、自社が必要とする機能のみに絞ったシステムを開発できるため、自社の業務フローに合わせたシステムで業務効率の向上が可能です。
また、スクラッチ開発で一から作り上げた方が、利便性の高いシステムを作れるでしょう。
②学習コストが低い
スクラッチ開発は、プログラミングの基礎知識やスキルがあれば、比較的容易に学習でき、コストも抑えられます。
一方、パッケージ開発は既存のパッケージソフトを利用してシステムを構築するため、導入やカスタマイズには一定の学習コストがかかる場合があります。
スクラッチ開発は自由度が高く、必要な機能だけを絞り込んだシステムを開発できるため、学習コストを抑えながら効率的にシステムを構築できるでしょう。
③カスタマイズ性が高い
スクラッチ開発は、高度にカスタマイズされた独自のソフトウェアを作成できるメリットもあります。ビジネスや組織のニーズに完全に合致したシステムを作成可能です。柔軟性や拡張性の高いシステムを構築できるため、新機能の追加や既存機能の変更もしやすいでしょう。
スクラッチでのWebアプリ開発のデメリット3つ
スクラッチでのWebアプリ開発をするデメリットは以下のとおりです。
- 初期費用が高い
- 開発期間が長い
- 開発に必要なリソースが多い
上記のデメリットを把握していないと、スクラッチで進めたプロジェクトがうまくいかない可能性があります。事前に把握しておきましょう。
①初期費用が高い
スクラッチ開発のデメリットには、初期費用の高さがあげられます。初期費用が高くなる要因は、ゼロからオーダーメイドで開発されるため、開発期間が長くなるからです。
特に、難易度の高いシステムの場合、人件費も高額となるため、初期費用はパッケージ開発に比べてかなり高額となるでしょう。システムが納品された際の初期費用は、パッケージ開発に比べるとかなり高額になりがちです。数千万円から億単位にのぼるケースもあるでしょう。
ほかにもスクラッチ開発では、開発ベンダーの選定が難しいです。開発ベンダーの技術力や信頼性を評価する必要があり、よりレベルの高いベンダーを選ぶと初期費用も高くなります。
アプリ開発の費用相場を知りたい方は「【徹底解説】アプリ開発の費用相場は?見積もりの内訳や節約のポイントを解説!」もあわせてご覧ください。
②開発期間が長い
スクラッチ開発はゼロからシステムを構築するため、通常は半年から数年の開発期間を要します。開発期間が長いことで、ビジネス環境が変化し、業務プロセスも変わってしまうリスクに注意が必要です。結果的に、当初の要件定義と業務の実態との間にずれが生じるリスクがあります。
開発期間が長い点から、スクラッチ開発はスピード感が求められる現代には適していない場合があります。特にECサイトなどのプロジェクトでは、スピーディーな開発が求められることが多いです。
③開発に必要なリソースが多い
スクラッチ開発は、コストが高くつく傾向と、開発期間が長期化する点でリソースを多く使うことに注意が必要です。
特殊な業務フローや手順のシステム化が可能なため、新規事業やサービスのシステム開発に向いています。一方で、スクラッチ開発を行うには、プロジェクトの予算と納期にある程度余裕があることが条件といえるでしょう。
スクラッチでのWebアプリ開発の手順3つ
スクラッチでのWebアプリ開発の手順は以下のとおりです。
- プロジェクトの設定と環境構築
- デザインの作成とUIの設計
- 機能の実装とデータの処理
上記の手順を把握しておくと、よりスムーズにスクラッチでの開発を進められるでしょう。
①プロジェクトの設定と環境構築
スクラッチ開発では、はじめに要件定義をしてプロジェクトの課題解決や目標を明確にします。スクラッチ開発の場合、インフラ環境も1から構築する点が特徴です。システムの概要や機能、データベースの設計などを行ったうえで、環境構築もします。
要件定義に関して詳しく知りたい方には「【徹底解説】システム開発において要件定義とは?やり方を5ステップで解説!」の記事もおすすめです。
②デザインの作成とUIの設計
スクラッチ開発におけるデザインの作成とUIの設計については、以下の手順が一般的に行われます。
- 打ち合わせ
- 要件定義
- 画面デザイン(UI設計)
- プログラミング
スクラッチ開発では、デザインや機能にこだわりがある場合や競合との差別化を図りたい場合におすすめです。デザイン力が低いシステムは利便性も半減するため、開発においてデザインが重要であるとされています。そのため、この工程が特に重要です。
③機能の実装とデータの処理
機能の実装やデータの処理は、実装の段階で行われる工程です。具体的には、設計したシステムを基に、プログラミング言語や開発環境に応じて、機能の実装やデータの処理などを行います。また、スクラッチ開発では、自由度が高いため、特殊な業務フローや手順のシステム化が可能です。
初心者でもスクラッチ開発を行うためのポイント4つ
初心者がスクラッチでの開発を成功させるために重要なポイントは以下のとおりです。
- シンプルなデザインを心掛ける
- 基本的なHTMLとCSSの知識を身につける
- JavaScriptの基本を理解する
- フィードバックを受けながら進める
上記のポイントを意識すると、経験やスキルがそれほどない初心者でもスクラッチでの開発を効率的に進められるでしょう。
初心者がアプリ開発をするための手順に関して詳しく知りたい方は「【初心者向け】アプリ開発初心者は何から始めるべき?3ステップで解説!」をご覧ください。
①シンプルなデザインを心掛ける
スクラッチ開発の初心者には、デザインをシンプルにすることが推奨されます。デザインが複雑だと工程が多くなり、自力で処理しきれない可能性が高いです。
初めてスクラッチ開発をする場合は、不必要な装飾や複雑な構造を避け、情報が見やすいレイアウトを心がけましょう。
②基本的なHTMLとCSSの知識を身につける
スクラッチ開発をするうえで、HTMLとCSSの基本的な知識を身につけることは、重要なスキルの一つです。以下は、HTMLとCSSの学習を始めるための基本的な手順です。
- ウェブ開発に必要なツールを用意する(パソコン、インターネット環境、テキストエディタなど)
- HTMLとCSSの基本を学ぶ
- 習得するプログラミング言語の基礎的な文法・構文を勉強する
HTMLとCSSの基本的な知識を身につけることで、スクラッチ開発以外のウェブページの作成やデザインも行えます。また、プログラミング言語の学習においても、HTMLとCSSの知識は役立つでしょう。
③JavaScriptの基本を理解する
JavaScriptは、ウェブページを動的に操作するために使用されるプログラミング言語です。CやJavaといった他のプログラミング言語の構文をベースにしています。
JavaScriptの基本を理解するには、文法と構文、機能を学びましょう。覚えておくべきポイントは以下のとおりです。
- オンライン教材や書籍を使う
- 変数、関数、ループなどの基本的なプログラミングの概念を理解する
- JavaScriptのコードを書く練習をし、さまざまな機能を試す
上記の方法でJavascriptの理解を進めると、スクラッチ開発の際も活用でき、仕事の幅が広がるでしょう。
④フィードバックを受けながら進める
スクラッチ開発初心者がポイントとフィードバックを受けながら進めるためには、以下が役立つでしょう。
- 入門書の参照
スクラッチの入門書を参照することで、基本的な構文や操作方法を学べる - テスト運営
リリースしたあともテスト運営を行い、ユーザーのフィードバックを受けながら改善を進める - アジャイル開発
アジャイル開発手法を採用することで、フィードバックを受けながら柔軟に開発を進められる
上記の方法でフィードバックを受けることで、ミスを減らし、質の高いアプリを開発できます。
まとめ:スクラッチを初めてWebアプリ開発の質を高めよう
ここまでスクラッチ開発に関して、具体的な内容やメリット・デメリット、初心者でもつくれるポイントを解説しました。スクラッチ開発は1から環境構築するため、難しさもありますが、自由度やカスタマイズ性の高い開発が可能です。
手順を把握し、ポイントを理解することで初心者でもスクラッチ開発を効率的に進められるでしょう。興味のある方は、ぜひスクラッチ開発の採用を検討してみてください。