非エンジニアは起業できないのか?起業の実例を用いて解説!
「非エンジニアでも起業できるのか」
「IT企業を立ち上げるにはエンジニアのスキルを身につけるべき?」
「非エンジニアが起業した例はあるの?」
非エンジニアでもIT業界での起業を志す人は多いと思いますが、一般的には起業するならITスキルを有している方が良いと言われています。
そこで本記事では、非エンジニアでも起業できるのかを徹底解説します。
具体的には、
- 非エンジニアによる起業の可否
- 非エンジニアが起業することによる弊害
- 非エンジニアによる起業の実例
- 起業するなら非エンジニアでもITスキルがあった方がいい理由
について解説するので、ぜひ参考にしてください。
目次
非エンジニアでもIT企業を起業することは可能
IT企業の創業者自身がエンジニアであったり、プログラミングのスキルを有している必要はないので、コードを書けない・ITの知識が全くない人でも起業することはできます。
その理由は、経営者の役割は経営などのビジネス側にあり、最初からシステムを自分で作るということは無いからです。
アメリカの大手IT企業を見てみると、Appleの創業者スティーブ・ジョブズや、Amazonの創業者ジェフ・ベゾスなどは、全くコードを書けなかったと言われています。
このようにプログラミングのスキルが無くても、GAFAの一角の企業を作れる人間がいるのも事実であり、起業する場合に必ずしもエンジニアである必要はないのです。
非エンジニアがIT企業を起業することが難しい理由
非エンジニアでもIT企業を立ち上げることは可能ですが、その場合には非エンジニアならではの壁が生じます。
その壁とは、
- 開発を外注に頼りがちになる
- 不具合対応が難しい
- 問い合わせ対応が難しい
- 資金繰りが困難になる
主にこの4つがあります。
ここでは、この4つの壁を説明するので、順に見ていきましょう。
開発を外注に頼りがちになる
創業したばかりの時期は、開発者を雇う資金が無いため、なるべく自社で開発をしなければなりません。
しかし創業者自身がエンジニアでなかったり、共同創業者にコードを書ける人がいなかったら、開発は外注任せになってしまいます。
外注に頼りがちになると、
- 外注費用がかかる
- 問題に対して細かく柔軟に対応することが難しい
- アイデアを思い浮かんでもシステムに反映しづらい
などの問題が発生します。
様々なスタートアップを見てみると、創業当初に外注費用だけで開発費のほとんどをつぎ込んでいるケースもあります。その場合、自らコードを書く方が効率的なので、コーディングの学習をしましょう。
不具合対応が難しい
サービスを自分の手で動かしてみて、そこで始めてシステムの不具合に気づく場合もありますが、そんな時に自社にエンジニアがいなかったら、自分たちで不具合に対して迅速に対応することが困難になります。
開発を外注している場合、バグが見つかり次第、その都度バグ修正の依頼を開発側に発注しなけらばなりません。
しかし、「バグが見つかっては修正を頼む」というのを繰り返していると、その分外注費用も膨らみ、経営が傾く可能性があります。
また、開発側と発注側では開発・バグ対応の難易度に対する認識がずれていることがあり、コミュニケーションが取りづらく、不具合対応が難しくなることも多々あります。
両者で連携が取れていないと、システムの不具合を解決しづらくなるので、お互いが歩み寄る姿勢を取ることが必要です。
問い合わせ対応が難しい
システムをリリースしてから、着実にユーザーが増えていくと、ユーザーからの問い合わせを受けることが多くなります。
そこで、適切な問い合わせ対応をするには、自社が運用するシステムについて詳しく知っている必要がありますが、非エンジニアにとってシステムを理解すること自体が難しいので、問い合わせ対応も困難になってくるのです。
システムを理解するために、また適切に問い合わせ対応をするためにも、ITの知識を身につけることが大切になります。
資金繰りが困難になる
非エンジニアだと、
- 開発にどれくらいのお金がかかるのか
- どのくらいの人数・期間が必要なのか
といった部分のイメージが苦手なため、適切に見積ることが難しくなります。
そのため、計画的に資金繰りを行うことができずに、資金を溶かしてしまうこともよくあるのです。
そうならないためにも、ITの知識を身につけて適切な見積を行うことが必要ですが、それ以外にも開発側とよく話し合って、正しい見積を出してもらうことも大切になります。
非エンジニアによるIT起業の実例
ここでは非エンジニアによるIT企業の立ち上げの事例を、成功事例と失敗事例に分けて紹介します。
成功事例は「WealthNavi株式会社」、失敗事例は「Cmix」を紹介するので、順番に見ていきましょう。
特に成功事例を見ることでITの勉強の必要性について、失敗事例をみることで計画的な資金繰りの重要性について理解することができます。
成功事例
WealthNavi株式会社は2020年に上場した日本のフィンテック企業で、サービス開始の半年前には約6億円の資金調達を果しています。
創業者の柴山氏はもともとコードを書けない非エンジニアでしたが、創業間もなくして自身でプログラミングを熱心に勉強し始め、プロトタイプを自作するにまで至りました。
そのプロトタイプを様々な人達に見せて回ることによって、エンジニアの人たちも柴山氏に賛同し、エンジニアを巻き込むことに成功したのです。
そのようにして、非エンジニアによって立ち上げられたWealthNaviは、優秀なエンジニアを募ることができ、上場企業として名を連ねました。
失敗事例
Cmixという会社は「きのこれ」という名のスマホゲームアプリを制作しました。
このアプリの開発にかかった費用は2000万円にまでのぼりましたが、アプリのバグと資金繰りの問題で、開始から3ヶ月ほどでサービス終了となったのです。
創業者曰く、アプリのバグも資金繰りの問題も、プログラミングを外注していたことが要因だったようです。
この事例から、安易にプログラミングを外注すると、バグに迅速に対応することが難しく、またバグ修正のたびに外注費用が膨れ上がるということが分かります。
実際にこのアプリの開発には、開発費用の2000万円のうち1300万円が外注費用だったようです。
非エンジニアが起業する場合でもITの勉強が必要な理由
IT企業を立ち上げる場合に、ITスキル・知識があった方がいい理由として、
- 技術的なアイデアを提案できる
- エンジニアとの連携が良くなる
- 外注費が不要になる
- 適切な開発計画を立てられるから
この4つのメリットが挙げられます。
ここでは、ITスキル・知識を有している4つのメリットについて順に解説しています。
技術的なアイデアを提案できるから
もし、システムを実際に動かしているときに「この部分の仕様をもっとよくできないかな」と思っていても、ITスキルがなければ「修正案を書いて誰かに直してもらう」という面倒な段階を踏まなければなりません。
しかし、創業者自身がプログラミングのスキルを持っていれば、自分で思いついた様々なアイデアを即座に試すことができ、時間と資金を節約することができます。
また、開発中のシステムを客観的に見て、開発側に有益な意見を提供することもできます。
エンジニアとの連携が良くなるから
開発側が非エンジニアにシステムの説明をする時、開発側としては「どうせ説明しても分かってもらえないだろう」と誤解しやすく、反対に非エンジニアは「エンジニアの説明が悪い」という気持ちがあるものです。
この場合、どうしてもコミュニケーションが取りづらくなるので、
- 要件定義の曖昧性
- システムの欠陥
など、システム開発における損失を生じてしまいます。
この問題を解決するためにも、経営者自身がITスキルを習得することで、エンジニアの言っていることを理解し、エンジニアとの連携を深めることが大切です。
外注費が不要になるから
プログラミングのスキルがあれば、外注しなくとも社内開発ができるので、その分の外注費用を抑えることができ、外注費用を抑えたことで浮いた資金を、広告などの他のことに充てることができます。
このように、外注に比べて自社開発は、資金的な面でもメリットが大きいので、IT企業を立ち上げるならコードを書けた方が有利です。
適切な開発計画を立てられるから
適切な開発計画を立てるためにも、
- 開発にかかる日数
- 開発費用
- 開発者の人数
などを適切に見積る必要があります。
適切な見積をするためにも、やはりITの知識は必須です。
なぜなら、どれほどの作業時間・資金・人数が必要かを理解するためにも、システム開発の具体的な作業内容や、フェーズごとの難易度を知っている必要があるからです。
例えば、プログラミングができる人間であれば、システムの種類によって必要になるコーディングの時間が分かるでしょう。
以上より、開発の現実的なスケジュールを立てるためにも、ITの知識は必要です。
まとめ
本記事では、非エンジニアによる起業について解説しました。
本記事のポイントは以下の通りです。
- 非エンジニアでも起業は可能
- 非エンジニアがIT企業を経営する場合、4つの壁が生じる
- 非エンジニアであってもITについて勉強したほうがいい
非エンジニアで起業を目指している方にとって、参考になったのであれば幸いです。