【徹底解説】ノーコード(NoCode)とは?メリットやデメリット、向き不向きを解説
ノーコードと聞いて簡単そうな印象を受けているけど、実際にどれくらい簡単なのか分からず、自分で作るか人に頼むべきかを決めきれないでいる方は、こんな事で悩まれているのではないでしょうか?
「ノーコードって最近聞いて、簡単にアプリが作れるというけど実際どうなんだろう? 」
「自分で作れるほど簡単なものなのかな? 」
その他にもノーコードのメリット・デメリット、ノーコードでアプリを作る際の難易度、おすすめのノーコードアプリやサービス、といった点も知っておきたいですよね。
今回は、ノーコードは簡単と言われる中で、実際に作った人が引っかかるポイントなどをはじめ、開発する上での必要な工数、おすすめのアプリについて紹介します。
この記事を読んで、ノーコードの特徴を理解して、適切なノーコードを利用することができるようになれば幸いです。
では、それぞれ見ていきましょう!
目次
ノーコード(NoCode)とは
ノーコードは、プログラミング不要でWeb開発ができる新しい手法です。
最近ではGoogleやAmazonがノーコードのツールを公開するなど、Web業界のトレンドともなっています。
海外ではノーコードツールの普及が目覚ましい進化を遂げていますが、日本でも画期的なサービスとして徐々に注目を集めています。
ノーコードの最大の特徴は早く開発できること
通常のWeb開発では、プログラミングによりアプリやシステムの動作などを具体的に決めていきます。
その時にプログラミング言語を使ってコードを書いていきますが、規則や書き方を覚えなければならず専門的な知識が必要なために、プログラマー以外の人がアプリやシステム開発をすることはありませんでした。
しかしノーコードを使えばその工程は大幅に削減できるため、Web開発業界に大きなインパクトを与えました。
プログラミングを用いて開発していく従来の手法よりも、時間がかからず早く開発ができることが最大の特徴です。
なぜノーコードが注目されつつあるのか
以下はノーコードがインターネット上で検索される回数を月単位で追ったグラフです。
「ノーコード」に関する検索が、2020年4月以降から継続して10,000回以上検索されていることがわかります。
グラフからも分かるように、実際の開発現場でもノーコードを使用する事例が増えています。
またミック経済研究所が2020年4月27日に発表したマーケティングレポート『DX実現に向けたローコードプラットフォームソリューション市場の現状と展望 2020年度版』のハイライトによると、年々ローコードプラットフォームの市場が上昇していることがわかります。
ノーコードが注目されているのは次のような点です。
- 時間や費用を削減できる
- サイト同士の連携が用意
- エンジニアでなくてもアイデアがあれば開発するチャンスがある
- プログラミングスキルを取得する膨大な時間と費用を削減できる
ノーコードを用いる際には、ある程度基礎知識を学ばなければならない場合もありますが、今までのように膨大な時間と費用をかけて、プログラミングを取得するというハードルが下がっただけでも大きな進展ではないでしょうか。
プログラミングの初心者でも、アイデアを具体化してネット上に公開できる時代が来たというのはIT業界の革命的事例とも言えます。
ノーコード(NoCode)と ローコード(LowCode)は何が違うのか
Web開発業界ではノーコード(NoCode)に対してローコード(LowCode)という言葉がしばしば使われます。
ローコードもゼロからプログラミングを行う必要はありません。少ない労力でWeb開発ができます。
ノーコードの場合はプログラミング言語を書く必要がありませんが、ローコードの場合は少しだけプログラミング言語を書く必要がある点が大きな違いです。
複雑な権限設定が必要なシステムを開発したい場合や、より機能を充実させたい、オリジナル性を追求したい場合などはローコード開発が向いているでしょう。
より詳しい比較は以下の記事で紹介しております。
ノーコード(NoCode)開発のメリットとデメリット
ノーコード開発の特長は分かりましたが、ここからはノーコード開発についてメリットとデメリットを詳しく説明していきましょう。
実際にWeb開発を考えている方は、メリットとデメリットの双方の特長を抑えておくと実際に開発に携わった場合に、よりスムーズに案件に関わることができます。
ノーコード開発のメリット
ノーコード開発のメリットについては次の8点があげられます。
- プログラミングの知識が必要ない
- イメージ通りの開発をしやすい
- 開発スピードが速い
- Webサービス開発の費用が削減できる
- Webサービス開発後の保守や運用が容易になる
- コードを書く必要がないのでtypo(誤字)の心配がない
- エンジニアの不足を補える
- サイト同士の連結が容易
それぞれのメリットについて詳しく以下で見ていきます。
ノーコード開発のメリット1. プログラミングの知識が必要ない
ノーコード開発で一番に上げられるメリットは、プログラミングの知識が必要ないということでしょう。
今までは開発する際に、プログラミング言語によるコードを書くと言う作業が必要でしたが、プログラミングに時間や労力を費やしていたのが大幅に削減できることになります。
ノーコード開発のメリット2. イメージ通りの開発をしやすい
ノーコードの開発ではビジュアル化されたパーツを使います。
ドラッグ&ドロップするだけで操作できるので、初心者でも比較的簡単に開発しやすいと言えるでしょう。
また視覚化されているパーツを動かしながら工程を進めていくので、イメージ通りの開発をしやすい利点もあります。
ノーコード開発のメリット3. 開発スピードが速い
プログラミング言語を使ってコードを書く作業を省くので、その分開発のスピードが速くなります。
プログラミングやデータベースの設計にかかる時間は、開発の中でもメインの工程になります。
その部分を大幅に縮小できると言うのは大きなメリットです。
ノーコード開発のメリット4. Webサービス開発の費用が削減できる
プログラミングにかけていた工数を省くことで、開発の費用も大幅に削減が可能です。
コードを書くために熟練のエンジニアをアサインすればその分費用も高くなります。
ノーコードを使えばそのような問題も解決できるでしょう。
ノーコード開発のメリット5. Webサービス開発後の保守や運用が容易になる
Web開発は、開発が終わればすべて終わりというわけではありません。
その後の保守や運用などの管理も必要になってきます。そのたびにコードを書き直す場合もあるでしょう。
ノーコードを使えばプログラミングに慣れていない人でも、保守や運用が可能になる点は見逃せません。
ノーコード開発のメリット6. コードを書く必要が無いので間違える心配がない
コードを書く場合、アルファベットとたくさんの数字が羅列しているため、打ち間違いが起こる可能性があります。
集中力が下がってくるとコードの打ち間違えも起こりえます。ノーコードを使えば、コードを書く必要が無いので間違える心配がありません。
開発工程におけるストレスやエラーの特定にかかる工数をより軽減できます。
ノーコード開発のメリット7. エンジニアの不足を補える
日本の労働人口は、少子高齢化による影響で減少傾向にあります。
それに加えてIT業界では開発拡大などのスピードが速く、エンジニア人口が追い付いていません。
2030年には約59万人ものIT人材が不足すると予測されています。
エンジニアでなくてもWeb開発が可能なノーコード開発は、エンジニアの不足を補えると期待されています。
ノーコード開発のメリット8. サイト同士の連結が容易
従来のオンラインサービス同士では連結する場合に、両サービスがプログラムで構築されていることが必要でした。
一方ノーコードでは、プログラムでもノンプログラムでも連結が可能です。サイト同士の連結が容易なこともメリットの一つです。
ノーコード開発のデメリット
良いことずくめに見えるノーコード開発ですが、デメリットは無いのでしょうか?
ここでローコード開発にはどんなデメリットがあるのかを見ていきましょう。
ローコード開発のデメリットには次の3点があげられます。
- 作れるサービスに限界がある
- プラットフォームにサービスが依存してしまう
- 学習コストが高い
ノーコード開発のデメリット1. 作れるサービスに限界がある
ノーコード開発ではあらかじめ決められたパーツをつなげて開発していくので、複雑なサービスや大規模なサービスをしたい場合には限界があります。
作りたいサービスの仕様に基づいて、ノーコード開発によってそれが実装可能かどうかを必ず事前に確認する必要があるので注意しましょう。
ノーコード開発のデメリット2. プラットフォームにサービスが依存してしまう
ノーコードを業務システムとして導入する場合、サービスの内容はノーコードのプラットフォームに依存してしまう形になります。
そのためセキュリティの対策などはそのプラットフォームで使われているサービスで対応するので、脆弱性のあるセキュリティを使用していた場合は、大きな脅威にさらされることも考えられます。
自分が開発したサービスが機能拡張ニーズのすべてに対応できるようになっているか、導入前に良く確認するようにしたいものです。
ノーコード開発のデメリット3. 学習コストが意外と高い
ノーコードはコーディングこそ不要ですが、実際に使いこなすまでにキャッチアップする必要のあることが多いため、学習するためのエネルギーが意外と多いことがデメリットに挙げられます。
ノーコードを用いてアプリを開発する上で、フロントエンド、バックエンド、データベースの知識を理解しておく必要があります。パズルのように組み立てることは出来ても、実態はプログラミングと変わらないため、データがどのような規格でデータベースに保存されるのか、といったシステムの知識は必要になります。
また、ノーコードサービスのサポートは現時点でほとんどが英語になっています。マニュアルを読み込むのに時間が取られたり、サポートセンターへ問い合わせる際などのコミュニケーションにも日本語以上に工数がかかります。英語に苦手意識がある方には、学習により力を入れないと使えない、ということもあり得ます。
利用できる言語は徐々に改善が進む点ではありますが、注意しておきましょう。
他にもノーコードのできないことについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください!
ノーコード(NoCode)開発の向き不向きを確認しよう
ノーコード開発のメリットとデメリットが分かったところで、実際にノーコード開発を取り入れてみよう!と考えている方もいるかもしれませんね。
ノーコード開発に向いている企業やビジネスの特徴をあげてみましたので、これから開発を考えている方は参考にしてみて下さい。
ノーコード開発に向いている起業やビジネスの特徴
ノーコード開発に向く企業やビジネスの特徴は以下のとおりです。
- クオリティよりもスピード優先の開発をしたい場合
- エンジニアがいない場合
- 簡単にPoC(概念検証)だけしたい場合(MVP開発)
ノーコード開発は時間が短期間で済み、費用が安く抑えられて、プラットフォームとなる枠組みがすでにあることからスピーディーにサービスを展開したいという場合に向いています。
本格的なサービスを導入する前に、そのサービスが受け入れられるかどうか検証してみたいという場合にも、ノーコード開発を使えば大幅な負担の軽減になります。
スタートアップ企業、ベンチャー企業などで実証実験を行いたいという場合などに、ノーコードを使った開発は最適でしょう。
ノーコード開発に向いていない起業やビジネスの特徴
次にノーコード開発に向いていない企業やビジネスにはどんな事例があるかあげてみます。
ノーコード開発に向いていない企業やビジネスは次の通りです。
- 堅固なセキュリティー機能が必要
- オリジナルなデザインを使いたい
- 特殊な機能を開発したい
ノーコード開発は既存のプラットフォームに依存するので、例えばセキュリティー機能を堅固なものにしたいという場合には不向きです。
対応するセキュリティー機能もプラットフォームの中に組み込まれているためです。
目的に応じて最適なノーコードツールを採用しよう
ノーコードはWeb開発をする上で今後も目が離せないツールでしょう。
プログラミング無しで誰でもWeb開発ができるというのはかなり画期的ですが、現時点では決められたサービスにしか利用できず自由度が低い、英語でのサービスしかないといった課題もあります。
しかし用意されたプラットフォームを使って、簡単にビジネスプランに合わせたサービスを選ぶことができ、時間や費用の大幅な節約につなげられる点は大きな魅力ではないでしょうか。
それによりエンジニアはさらにクリエィティブな業務に取り組むことができるようになることから、将来的にはエンジニアとノーコードツールとの共存が予想されます。
Web開発に詳しいエンジニアの存在は、これからもますます必要になっていくでしょう。
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この記事が少しでもご参考になれば幸いです。