【見積もり解説】システム開発における見積もりの内訳は?|妥当性の確認方法を解説!
「システム開発における見積もりについて詳しく知りたい」
「システム開発の見積もりの内訳は?」
「妥当性の確認方法は?」
システム開発の見積もりについて、疑問や不明点がある方は多いと思います。
そこで本記事では、システム開発における見積もりについて、基礎から詳しく解説します。
最初に見積もりの前提知識を解説した後に、見積もりの計算方法、内訳、見積もり依頼の注意点などを説明します。
さらに、システム開発における見積もりが難しい理由についても解説しているので、ぜひ最後まで見てください。
▼『システム開発』の詳細についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事が参考になります。
①【初心者必読】システム開発系の会社の種類とそのメリット・デメリットについて解説!
②Webアプリとは? 仕組みと作り方を解説!
目次
システム開発における見積もりの前提知識
システム開発の見積もりの具体的な内容を話す前に、まずは学ぶべき前提知識について解説します。
同じシステムを開発するにしても、どの会社に依頼するかによって、開発の費用は変わってきます。
適切な見積もりをするためにも、システム開発の見積もりの前提知識を持っておくべきです。
システム開発における見積もりの特殊性や、開発コストの割合について学びましょう。
システム開発が特殊である理由
システムの役割は、人間の業務効率化にあります。
車や建築物のような、それ自体が目的のものとは違って、システムは目的達成のプロセスに過ぎません。
それ故に、車や建築物などと違って、 システムはイメージすることが困難です。
そのため、システム開発は、イメージしずらいものを作ることにおいて、かなり特殊です。
そのイメージのしずらさが、プロダクトとニーズの乖離や、開発進度の停滞を引き起こします。
そのあたりの話も、本記事で解説しています。
システム開発にかかるコストの大部分は?
システム開発にかかるコストの大部分は、ずばり「人件費」です。
具体的には、要件定義や開発、テスト、ドキュメント作成など、人間が行う作業に対して費用がかかります。
さらに、作業より細かいものに対しても、コストとして見積もらなければなりません。
また、人件費と作業工数の掛け合わせた金額が、全体の開発費になります。
システム開発の3つの見積もり計算の方法
次に、見積もりの具体的な計算方法について解説します。
システム開発の見積もりの、代表的な3つの計算方法「類推見積もり」「係数モデル見積もり」「工数積み上げ見積もり」について、順番に見ていきましょう。
類推見積もり(トップダウン)
類推見積もりとは、過去の類似したシステム開発を参考に、経験から類推する見積もり方法です。
正確な見積もりをスピーディに行える点において、この計算方法にはメリットがあります。
しかし、類似したプロジェクトがない場合、この算出方法では見積もりを算出できなくなります。
この算出方法は、過去に類似したプロジェクトがある際に、成り立つ方法だと覚えておきましょう。
係数モデル見積もり(パラメトリック見積もり)
係数モデル見積もりとは、数理モデルに従って、各作業にかかる費用を見積もる算出方法です。
機械的に算出されるため、過去の事例や知識などが無くても、正確かつ容易に算出できます。
しかし、データ数によって精度が左右される点がデメリットです。
サンプル数が少ないと、どうしても精度が落ちてしまいます。
正確な見積もりをするためにも、十分なサンプル数を確保する必要があります。
工数積み上げ見積もり(ボトムアップ)
工数積み上げ見積もりとは、作業ごとの工数をもとに見積もりを算出する方法です。
開発工程や工数ごとに算出するため、抜け漏れなく見積もりをすることができます。
しかし、大規模開発になると工数が多くなり、その分複雑になってしまいます。
そうなると、正確な見積もりができなくなります。
アプリ開発の見積もりについてざっくりと知りたい方は、アプリ開発シュミレーションを使ってみましょう。
システム開発における見積もりの内訳
次に、システム開発では、どのような内訳で見積もりをするのか、解説します。
システム開発において、どのように費用が使われているのか、ざっくりでも知っておいて欲しいです。
プロジェクトによって項目数は変わりますが、以下で示している10項目を見て、内訳に関するイメージをつかみましょう。
要件定義
要件定義とは、顧客のニーズや解決したい問題を明確にする作業です。
どれだけ要件定義に時間と労力をかけたかが、今後のプロジェクトの進捗を左右します。
プロジェクトを円滑に進めるために、また顧客のニーズを満たすためにも、顧客とのコミュニケーションが重要になってきます。
要件定義は軽視されがちですが、非常に重要なフェーズなのです。
設計
設計とは「どんなシステムをどのように作るか」を決めて、それに従って設計書を作る作業です。
開発との違いは、開発が実際にプログラムを組む作業なのに対して、設計はプログラムを組む前の土台を作る作業です。
この作業はシステムエンジニアが主に担当します。
UIデザイン
UIデザインとは「ユーザーインターフェース」つまりシステムの見た目のことです。
デザイナーがデザインを担当します。
UIデザインは、ユーザーにとっての使いやすさが決まってくる要素です。
使いやすいシステムを作るには、デザイン費も高くなってきます。
進行管理
進行管理は、プロジェクトの計画や日程調整などを調整する作業です。
進行管理費をデザイン費や開発費に含めて、見積もりをするケースもあります。
開発
開発は、プログラマーやシステムエンジニアが、実際にプログラムを書いてシステムに組み込む作業です。
この開発費において、プログラマーなどにかかる人件費が、大部分を占めています。
また、プログラマーやエンジニアのレベルによっても、単価が変動します。
テスト
テストとは、システムのエラーなどを確かめる作業です。
一通り開発が終わった後に、プログラマーなどが実際にシステムを動かしてみて、動作確認や修正箇所の確認を行います。
修正の回数が増えれば、その分テスト回数も増えてきます。
そうなると開発費だけでなく、テスト費用も高くなります。
導入
導入とは、完成したシステムを納品する際の、初期設定を行う作業です。
導入費とは、つまり初期設定費用のことになります。
購入
システム運用のためには、サーバーなどの機材が必要になります。
そのような機材の購入費用についても、考える必要があります。
旅費・交通費
開発中の打ち合わせなどで、遠方の会社から出向かれる場合は、旅費・交通費が発生します。
保守
保守とは、完成したシステムを維持管理し、定期的にバグ修正などを行う作業です。
システムに問題が起きないためにも、保守の一環としてシステムのアップデートをしていく必要があります。
また、システムダウンが起きてしまうと、業務に多大な支障をきたすことになるので、そうならないためにも、安全稼働するように管理することが重要です。
システム開発の見積もりが難しい3つの理由
システム開発において、適切な金額を見積もることは難しいです。
見積もりにおける困難さの要因として「要件の曖昧性」「見積もり担当の開発経験」「開発メンバーのスキルの不透明性」の3つが挙げられます。
システム開発の見積もりが難しい理由を知っておくことで、見積もりでつまずいたとしても、上手く対処できるようになります。
また、システム開発におけるチーム開発の難しさを知ることにもなるので、このあたりの知識は取り入れておきましょう。
要件が曖昧であることが多いから
システム開発において、要件が確定しないまま開発がスタートされるのは、よくあることです。
要件が曖昧になりがちな理由は、まだ設計されていないシステムについて、要件を定義するからです。
顧客は、実際にシステムを動かすことで、自身の潜在ニーズに気づくこともあります。
こらから設計するシステムについて、要件を定義してしまうと、顧客のニーズをいまいち理解できていない状態で、開発をすることになってしまいます。
また、要件定義に割り当てる時間が少ないことも、要件が曖昧になる大きな原因です。
顧客のニーズをしっかりと理解するためにも、本来は長い時間をかけてヒアリングをする必要があるのです。
しかし要件が曖昧なまま開発を進めると、顧客からの追加注文や修正などが出てきてしまいます。
それが原因で開発期間が長引き、それによって費用も高くなってしまうのです。
開発経験のない人が、見積もりをするから
見積もりの担当者の中には、開発未経験の人も多くいます。
未経験となると、どうしても開発に対してのイメージが持てないです。
そうなると、開発にかかる期間や各フェーズの難易度、これから必要になる費用などを、予想するのが難しくなります。
このことが原因で、正確な見積もりが困難になってしまうのです。
開発メンバーのスキルが不明確だから
プロジェクトに参画するメンバーの、スキルや開発経験が不明確であるケースはよくあります。
メンバーの能力が不明確だと、予想の開発期間を大幅に間違える原因になります。
例えば、スキルも経験も豊富な人が参画すると、思っていたよりも早く開発が終わることもあれば、その逆のパターンもよくあります。
予想よりも開発期間が大きく上下してしまうと、見積もりの妥当性が損なわれてしまいます。
システム開発の見積もりを依頼する際の注意点
システム開発の見積もりで失敗しないためにも、依頼先を決める際の注意点を押さえておく必要があります。
ここでは、見積もりを依頼する際の注意点について解説します。
ヒアリングや対応が丁寧な業者に依頼する
要件定義や設計段階でのヒアリングや、その後の対応が丁寧な開発会社を選ぶことが重要です。
開発の初期段階でのヒアリングがしっかりできていないと、開発側と顧客側とのイメージに齟齬が生じてしまい、その結果開発が遅れてしまいます。
そうなると、開発費用も本来の見積もりよりも変動します。
また、システムが実際に稼働してからも、維持管理が必要になります。
その際にトラブルが起きたとしても、丁寧なサポートを受けられるかどうかが大切です。
トラブルにならないためにも、ヒアリングや対応が丁寧な開発会社を選ぶようにしましょう。
仕様の細かい部分まで話し合う
後から大幅な仕様変更を起こさないためにも、予め細かい部分まで仕様を話し合う必要があります。
見積もりを出す前に、使用する機材や使用言語など、開発会社とコミュニケーションをとって、細部にまですり合わせをしておくことが重要です。
工数を明確にしておく
システム開発における工数によって、開発費用が大きく左右されます。
そのため、納品後にシステムの修正があった場合、工数が増えるので、その分開発費用も増えてしまいます。
そうならないためにも、最初に前提条件や細かい仕様を決めておいて、工数を正確に計算する必要があります。
システム開発における見積もりの内訳は?|妥当性の確認方法を解説!まとめ
今回はシステム開発における見積もりについて、前提知識を話した後に、見積もりの計算方法、内訳、見積もり依頼の注意点などを解説しました。
システム開発にかかる費用を正確に見積もるためにも、見積もりに関する知識が必要です。
開発会社に見積もりを依頼する場合においても、見積もりの知識は必須といえます。
適切な見積もりを行うためにも、ぜひ本記事の内容を忘れないで下さい。