【2024最新】ローコード開発の将来性と需要は?必要な知識を解説
短時間・低コストでシステム開発が可能な、ローコード開発が近年注目されています。
今後、ローコード開発はどのような場で活躍していくのでしょうか。この記事を読むことで、ローコード開発の将来性と需要、ローコード開発に必要な知識を知ることができます。ローコード開発の将来性や必要な知識を知って、うまく活用してみましょう。
目次
そもそもローコード開発とは?
ローコード開発の概要と従来型開発との違いについて解説します。
ローコード開発とは?
ローコード開発は、可能な限りコードを書かずに短時間でソフトウェアを開発する手法です。コードを書かない代わりに、GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)というビジュアル的な操作を用います。マウスを使ったドロップ&ドラッグなどの直感的な操作で開発することが可能です。
ローコード製品の多くは、あらかじめ利用頻度の高い機能が「既に完成した部品」として提供されています。開発者はWebブラウザなどのコンピューターの画面上で必要な部品を選び、組み合わせながらシステムやアプリケーションを作ることが可能です。
そのため、従来と比べて工程を省略・自動化し、高品質かつ安定した開発ができます。
ローコード開発と従来型開発との違い
従来のシステム開発では、ユーザーやクライアントに詳細なヒアリングを行ったうえで、要件定義・機能設計をしてからプログラミング。その後、テストにより問題点を解決してリリースするという工程でした。
一方、ローコード開発では、機能設計の段階からGUIを活用し画面上で様々な部品を組み合わせてプログラムの自動生成が可能です。効率的かつ、単純ミスのない高品質なコードで、安定したシステム開発を期待できます。
そして、ユーザー自身が開発作業を行うことも可能です。なお、必要に応じたカスタマイズなどは、コードの記述にて対応できるようになっています。
ローコード開発についてさらに詳しく知りたい方は、ぜひ【基礎知識】ローコード開発とは?特徴、メリットデメリット、事例を紹介の記事をチェックしてみてください。
ローコード開発の将来性【結論:成長し続けている】
ローコード開発の将来性について解説します。
ローコード開発の市場は拡大予測
日本のIT業界の市場調査とコンサルティングの会社「ITR」は、市場調査レポート「ITR Market View:ローコード/ノーコード開発市場2022」を発表しました。その中で、2020年度のローコード/ノーコード開発市場の売り上げは515億円で、前年度比24.3%増。2023年度には1000億円にものぼると予測しています。
また、ガートナー社(英国のIT分野の調査・コンサルティング会社)も2024年までにアプリケーション開発の65%をローコード開発で行うと予測しています。なので、ローコード開発の将来性は十分に高いと言えるでしょう。
ローコード開発の急速な拡大・成長を予測する背景には、実際市場が成長し続けているということ。そして、経済産業省が推し進めているDX、「2025年の崖」といった要因があります。特にDXは、コロナ禍で一層重要性が増し、加速しました。
成長背景としては企業のDX推進も一因に
DXとは、デジタルトランスフォーメーションの略でして、データやデジタル技術の活用による企業ビジネス全般の改革のことです。DXに取り組まないことで、以下のリスクがあることを経済産業省のDXレポートは指摘しています。
- 既存システムの複雑化と保守費の高額化(「2025年の崖」2025年以降年間最大12兆円の損失)
- 複雑化した既存システムを管理する人材が不足
- データの喪失やブラックボックス化が進み、企業の大切な財産を失う
- 市場の変化への対応が難しくなる
こうした状況に対し、ローコード開発でのシステム構築で、以下のようなメリットがあります。
- レガシーシステム(過去の技術で構築されている仕組み)からの脱却
- 内製化することによるサイロ化(情報の共有や連携ができていない状態)の解消
- 市場の変化の応じてビジネスモデルを柔軟に適応させられる
- サービスの向上・提供のスピードアップ
- システムの保守・管理が容易になる
- コスト削減につながる
- エンジニア不足に対応
したがって、ローコード開発は企業のDX推進において注目を集めています。
非IT人材による開発が可能になったことも成長要因に
ローコード開発の登場によって、開発のハードルが下がりました。
そのため、非IT人材のビジネスユーザーがローコード開発を利用し、直接ビジネスアプリケーションの開発やサービスの提供を行うケースが増えると見込まれます。スモールビジネスにも対応しているので、個人事業主や起業家に最適です。
また、同様にノーコード開発も成長しづけているので、もしアプリ開発を考えられている方は、ノーコード受託開発サービス「Swooo」までご相談ください!
ローコード開発の需要
ローコード開発の今後の需要について解説します。
ITを活用したい領域の拡大
企業がITを活用する範囲は急速に拡大している状況です。
企業の中枢を支えるシステムや、顧客との接点であるWebシステム、データベースシステムはもちろんのこと。書類と印鑑で行っていた承認プロセスなどアナログで行われていた業務は全てITに切り替え、より処理能力の高いシステムに刷新することを求められています。
加えて、社会の流れに合わせた給付金などの一時的なシステムもITを活用することが不可欠になりました。コロナ禍をきっかけに、可能なものは全てオンラインで行う風潮が強くなっています。
急速なIT化を、開発のための膨大な知識なしに行えるローコード開発は需要が高まるのも必然です。
システム開発者需要の拡大
ITを活用したい領域の拡大に伴って、システム開発者も需要が高まっています。
これまで、企業のシステム開発はIT企業に委託してシステム開発を進めていくことがほとんどでした。しかし、ITを活用したい領域が拡大した今では、IT企業内でもシステム開発者が足りなくなり、依頼しても断られるケースもあります。
もともと、少子化による労働人口の減少などからシステム開発人材は不足していました。そのうえ、IT化の加速度が増し、開発者の需要はとどまるところを知りません。ローコード開発では、システム開発の専門的な知識のある人材がいなくても、業務内容や目的を詳細にわかる人物がいればシステム開発が可能です。
短納期のスピード開発
個客ニーズがバラエティに富むようになり、社会の変化も激しくなっています。事業を継続して利益を上げ続けるには社会の変化を察知しながら、顧客ニーズに的確に対応しなくてはなりません。
しかし、IT企業にシステム開発を依頼した場合、本稼働まで数か月から1年以上かかることもあります。これでは顧客ニーズを満たすことが困難です。ビジネスチャンスを逃す可能性があります。
ローコード開発は、ローコード製品の活用によって短期間での開発が実現可能です。すぐに対応することで顧客ニーズもすかさず満たすことができ、ビジネスを拡大・成功させることにもつながります。
ローコード開発に必要な知識
ローコード開発でやりたいことを実現したり、データを適切に管理したりする為に最低限必要な知識があるので解説します。
ローコード開発についての専門知識
ローコード開発には、利用するローコード製品に特化した知識が必要です。
ローコード製品によって、「できること・できないこと」があるので、把握しておかないと要件を満たすことが難しくなります。また、要件定義する際、プロジェクトの目的を明確にせず、やみくもにローコード製品を導入しても、作り直すことになればコスト削減になりません。
開発したいシステムの目的と、利用するローコード製品が合っているかよく確認しましょう。そして、製品によって効率よく開発するための操作の方法があります。製品ごとの「クセ」のようなものです。慣れていないと、製品をよく知らないが故の時間ロスになりますので、気をつけましょう。
ローコード開発でも基本的なプログラミングの知識は必要
可能な限りコーディングを減らした開発手法のローコード開発ですが、基本的なプログラミングの知識は必要です。
ローコード開発で「実現できない」要件が出てきた時、多くの場合は諦めるしかありません。しかし、プログラミングの知識があれば、「足りない機能だけスクラッチ開発(独自開発)して組み合わせる」ことができます。
実際の開発現場では、ローコード製品の機能だけでは要件を満たせないケースも多いので、ローコード製品のメリットを得ながら実現できない部分もカバーするためにプログラミングの知識が必要です。
ローコード開発でもデータベース設計についての知識は必要
ローコード開発には、データベース設計・データベースモデリングに関する知識が必要になります。
データベース設計ができないと、データベースでのデータ保持が不適切な状態です。そして、データを参照するアプリ側の開発コストや難易度に影響が出ます。例を挙げると、不適切なデータを適切に見せられるような工夫が必要になり、アプリが複雑化。バグの発生や保守コストが上がるなどです。
データを継続的に管理するためには必要な知識ですが、専門性が求められるうえ、習得までのハードルも高いと言えます。
まとめ
ここまで、ローコード開発について、将来性と需要、必要な知識を解説してきました。ローコード開発の将来性は高く、企業のDX推進も追い風となり今後も市場は成長していくでしょう。
IT化の加速、システム開発者の需要、短期間でのシステム開発などの需要をカバーしてくれるローコード開発ですが、データベース設計の知識など、習得しておかなければトラブルに対応できない知識もありました。
最低限必要な知識を身につけ、より効率的にローコード開発を活用していきましょう。