執筆:Swooo編集部/監修:諸藤 哲耀(株式会社アイビス Swooo)
不動産業界のDXは、「やるべきかどうか」を議論する段階をすでに過ぎています。イタンジ株式会社の2025年調査では、不動産会社の98.6%が「DXを推進すべき」と回答しました。認識はほぼ全社に行き渡っています。
一方で現場の実感は少し違うはずです。賃貸管理システムは入れた。電子契約にも対応した。それでも紙とExcelの業務は残り、ツールごとにデータが分かれて、経営が見たい数字はどこにもまとまっていない。
「次に何をすべきか」が見えない——これが、SaaSを1つ2つ導入した後の不動産会社に共通する悩みです。
本記事では、受託開発会社の立場から「SaaSで済む業務」と「自社開発が効く業務」の線引きを解説します。不動産DXの解説記事は数多くありますが、開発する側の判断軸と費用相場まで踏み込んだものはほとんどありません。ツール選定の前に、この線引きを持っておくと投資の失敗が大きく減ります。
目次
【早見表】不動産業務別:SaaSで済むか、自社開発が効くか
結論から示します。不動産会社の主な業務を「SaaSで済む領域」と「自社開発が効く領域」に分けると、次のようになります。
| 業務 | 向いている手段 | 理由 |
|---|---|---|
| 賃貸管理(家賃・更新・退去管理) | SaaS | 専用SaaSが成熟しており、標準業務で他社と差がつきにくい |
| 電子契約・IT重説 | SaaS | 法令対応の更新をベンダーが担ってくれる領域は任せるのが安全 |
| 内見予約・スマートロック連携 | SaaS | 単機能で完結し、既製品の完成度が高い |
| 反響管理・追客(標準的な範囲) | SaaS | ポータル連携などの共通業務は既製品が強い |
| 物件仕入れの独自スコアリング | 自社開発 | 判断基準そのものが競争力であり、汎用SaaSには存在しない |
| 複数SaaS・基幹システムのデータ統合 | 自社開発 | ツール構成が会社ごとに違うため、既製品では対応しきれない |
| 自社流の顧客フォローのシステム化 | 自社開発 | SaaSの標準フローに載せると、強みだったやり方が消える |
| 顧客向けの独自体験(オーナー向けマイページ等) | 自社開発 | 顧客接点のUIと体験は自社で設計してこそ差別化になる |
仕分けの基準は3つです。
- 他社と同じやり方で困らない業務か——標準業務なら、成熟したSaaSで最短で平均点を取るのが正解です
- その業務の「やり方」自体が自社の強みか——仕入れの目利きや独自の顧客フォローなど、強みになっている業務は自社仕様のシステムにする価値があります
- 既製品を探して見つからなかったか——複数ツールの統合やデータ連携は会社ごとに構成が違うため、探しても既製品がないことが多い領域です
以降の章で、この線引きの背景と、自社開発を選ぶ場合の費用感まで順に解説します。
不動産DXの現在地——「1つ目のSaaS」は入った業界
98.6%が「推進すべき」と回答、導入率トップは賃貸管理システム
冒頭で触れたイタンジ株式会社の2025年調査では、不動産会社の98.6%が「DXを推進すべき」と回答しています。同調査でシステム導入率のトップは賃貸管理システム/不動産基幹ソフトの45.9%でした。

この2つの数字を並べると、不動産業界の現在地が見えてきます。ほぼ全社がDXの必要性を認識し、半数近くはすでに何らかの業務システムを導入している。つまり不動産業界は「デジタル化ゼロ」の業界ではなく、「1つ目のSaaSは入った」業界です。
次の課題は「何か導入すべきか」ではなく、「導入したツールで成果が出ているか」「まだ紙とExcelに残っている業務をどうするか」に移っています。
市場もこの流れを裏づけています。矢野経済研究所の予測では、不動産テック市場は2030年度に2兆3,780億円と、2022年度比で約2.5倍に拡大する見通しです。ツールの選択肢は今後さらに増え、同時に「どれを選び、どこまで既製品に頼るか」の判断も難しくなっていきます。
市場が2.5倍になるということは、競合他社も同じツール群にアクセスできるようになるということでもあります。同じSaaSを同じように使っている限り、業務効率の差は縮まっていきます。
だからこそ、これからの数年で問われるのは「どのツールを入れたか」ではなく「自社にしかない業務をどうデジタルの資産にしたか」です。この視点が、本記事全体を貫く軸になります。
制度の追い風:電子契約の全面解禁とIT重説の整備
制度面の環境も大きく変わりました。2022年5月18日に改正宅地建物取引業法が施行され、重要事項説明書や契約書面の電磁的交付が可能になり、不動産取引の電子契約が全面解禁されました。売買・賃貸を問わず、紙とハンコを前提としてきた契約業務が、法的にデジタルで完結できるようになったということです。
その後も運用の整備は続いており、2024年12月にはIT重説の実施マニュアルが改訂されています。
「法制度上、紙でやるしかない」という理由でデジタル化を見送れる業務は、もうほとんど残っていません。制度が先に整い、あとは各社の実行だけが問われる状況です。
電子契約の意味は、単なるペーパーレス化にとどまりません。契約情報が最初からデータとして生まれるということは、後続の管理業務や集計と自動でつながる起点ができるということです。
紙の契約書をスキャンして保管するだけでは、この価値は生まれません。契約データを他の業務にどう流すかまで設計して、はじめて制度の追い風を活かせます。
SaaSで済む領域——無理に開発しないのが原則
先に「SaaSで済む領域」をはっきりさせておきます。私たちは受託開発会社ですが、成熟したSaaSがある領域をゼロから開発することはお勧めしません。作るべきでないものを作らないことも、開発投資の判断のうちです。
- 賃貸管理——家賃管理、契約更新、退去精算といった業務は専用SaaSが充実しています。導入率45.9%でトップという調査結果は、それだけ既製品が実務に耐えている証拠でもあります
- 電子契約・IT重説——法令やガイドラインの改訂に合わせた対応をベンダー側が続けてくれる領域です。自社開発でこの更新を追うのは割に合いません
- 内見予約・スマートロック連携——単機能で完結するため、既製品をそのまま使うのが最も速く安く済みます
- 反響管理・追客の標準的な範囲——ポータルサイトからの反響の一元管理や自動応答は、共通業務として作り込まれた既製品が強い領域です
これらに共通するのは、「どの不動産会社でもやることがほぼ同じ」で、「うまくやっても他社と差がつかない」業務だという点です。差がつかない業務は、月額課金で始められて法令対応も任せられるSaaSで、最短で平均点を取る。これが原則です。
ただし、SaaSを選ぶ段階で1つだけ確認しておきたい点があります。そのSaaSがAPIを公開しているか、データを自由にエクスポートできるかです。
いま導入するツールのデータは、数年後に他のシステムとつなぎたくなる可能性が高いものです。APIが公開されていれば、後述するデータ統合の開発がスムーズに進みます。逆にデータの出口がないツールを選ぶと、乗り換えも連携もできない「囲い込まれた状態」になります。単体の使い勝手だけでなく、データの出し入れのしやすさを選定基準に加えてください。
SaaS導入の「次」に来る悩み:ツールの点在とデータの分断
問題は、SaaSを2つ3つと導入した後に起きます。導入から2〜3年たった段階で表面化しやすい悩みは、典型的には次の3つに集約されます。

悩み1:ツールが点在し、同じ情報を何度も入力している
賃貸管理は管理SaaS、契約は電子契約SaaS、反響はポータル連携ツール、会計は会計SaaS——と積み上げていくと、物件情報や顧客情報を複数のツールへ二重三重に入力する状態になりがちです。
たとえば1件の成約が決まるたびに、管理システムに契約情報を入れ、電子契約ツールに同じ内容を入力し、会計ソフトにも請求情報を登録する。入力のたびに転記ミスのリスクが生まれ、確認作業も増えます。1つ1つのツールは業務を楽にしているのに、全体としては手作業が増えている。SaaSを足すほど便利になるはずが、ある時点から逆回転が始まります。
悩み2:経営が見たい数字がどのツールにもない
店舗別の「反響→来店→成約」の歩留まり、物件別の収支、担当者別の追客状況。経営判断に使いたい数字は、たいてい複数ツールのデータを掛け合わせないと出てきません。
結果として、各ツールからCSVを吐き出してExcelに手作業で貼り付け、月次レポートを作る担当者が生まれます。DXを進めたはずなのに、集計業務は増えているという逆説です。
悩み3:SaaSの標準機能に業務を合わせる限界
SaaSは多数の会社に共通する業務を想定して設計されています。だからこそ安く速く導入できるのですが、裏を返せば、自社の商習慣・帳票・承認フローに合わない部分では、人がツールに業務を合わせることになります。
標準業務ならそれで構いません。しかし、自社の強みになっているやり方までツールの標準に合わせてしまうと、強みそのものが薄まります。ここがSaaS活用の分水嶺です。
この3つの悩みに心当たりがあるなら、それは失敗の兆候ではありません。SaaS活用が一定の段階まで進んだ会社が、次のフェーズに入ったサインです。
ここから先は、SaaSの追加ではなく「つなぐ」「自社仕様にする」という発想の転換が必要になります。次章で、その具体的な領域と費用感を見ていきます。
なお、ツールや小規模な内製システムの継ぎ足しが続いた結果、全体の見通しが悪くなり、担当者の退職を機に誰も手を入れられなくなった——という相談は、業界を問わず少なくありません。この状態からの立て直しについては開発の引き継ぎ・立て直しの解説記事で詳しく扱っています。
自社開発が効く3つの領域と費用相場
前章の悩みは、SaaSの追加導入では解消しにくいものです。ここからが自社開発の出番になります。効果が出やすいのは次の3領域です。
領域1:複数SaaS・基幹システムのデータ統合
各SaaSのAPIからデータを集約し、物件・顧客・契約の情報を一元的に見られる基盤やダッシュボードを作る領域です。転記作業をなくし、「反響→来店→成約」のような横断の数字を自動で出せるようにします。
ツール構成は会社ごとに違うため、この領域には決定版の既製品が存在しません。だからこそ、自社の構成に合わせて開発する価値があります。
統合基盤というと大がかりに聞こえますが、最初の一歩は「毎月Excelで作っているあのレポートを自動化する」程度の規模で構いません。各ツールからのデータ取得と集計を自動化するだけなら、後述するとおりノーコード開発の小規模案件の範囲に収まることが多く、投資対効果も転記・集計にかかっている工数から逆算しやすい領域です。
領域2:自社の強みになっている業務のシステム化
物件仕入れの判断基準を独自のスコアリングとして形にする、ベテランの追客のやり方を仕組みに落とす、といった領域です。
たとえば仕入れ担当の頭の中にある「駅距離と築年数と周辺の空室状況をこう重み付けして判断する」という基準を、候補物件を入力すれば評価が返ってくるシステムにする。あるいは、成約率の高い営業担当が反響後にどのタイミングで何を送っているかを、チーム全員が再現できるフォロー管理の仕組みにする。こうした業務が対象です。
これらは「その会社が勝ててきた理由」そのものなので、汎用SaaSの標準フローには載りません。属人化したまま放置すれば人と一緒に流出しますし、SaaSに無理に載せれば標準化されて消えます。自社仕様のシステムとして残すのが、強みを資産に変える方法です。
領域3:顧客向けの独自体験
オーナー向けの収支マイページ、入居者向けの問い合わせ・更新手続きアプリ、購入検討者向けの物件提案画面など、顧客が直接触れる部分です。
顧客接点のUIは、そのまま会社の印象になります。汎用ツールの画面を貸すのではなく、自社の顧客に合わせた体験を設計できることが、管理受託や仲介の競争力につながる領域です。
特にオーナー向けの情報提供は、管理会社の解約理由にも継続理由にもなり得る接点です。収支報告が郵送の紙かPDFの添付か、それともいつでも見られるマイページか。この差は、オーナーが管理会社を比較する場面で効いてきます。
入居者向けも同様で、更新や退去の手続きがオンラインで完結する体験は、対応工数の削減と入居者満足の両方に働きます。
費用相場:ノーコードなら50万〜500万円から
「自社開発は数千万円かかる」という前提は、もう当てはまりません。開発手法別の初期費用の相場は、ノーコード開発で50万〜500万円、ローコードで300万〜600万円、スクラッチ開発で500万〜数千万円です。作るものの種類別に見ると、目安は次のとおりです。
| システムの種類 | ノーコード開発 | スクラッチ開発 |
|---|---|---|
| 業務管理システム(データ統合・ダッシュボード等) | 50万〜200万円 | 500万〜1,000万円 |
| 予約システム(内見予約・面談予約等) | 100万〜250万円 | 500万〜1,500万円 |
| マッチングシステム(物件×顧客の提案等) | 150万〜400万円 | 800万〜2,000万円 |
| AIアプリ(LLM連携) | 200万〜600万円 | 1,000万〜4,000万円 |
相場に幅があるのは、同じ「業務管理システム」でも、連携するツールの数、ユーザー権限の複雑さ、扱うデータ量によって工数が大きく変わるためです。見積もりを取る際は、金額の大小だけでなく「この金額で何がどこまでできるのか」の内訳を確認してください。
このほかに、要件定義が全体の10〜15%程度、リリース後の保守がノーコードで月3万〜20万円、スクラッチで月10万〜100万円かかります。費用の内訳や見積もりの読み方はシステム開発費用の解説記事にまとめているので、複数社から見積もりを取る前に一読をお勧めします。
AI駆動開発で「自社開発の損益分岐点」が下がっている
もう1つ、費用の前提を変えつつあるのがAI駆動開発です。Claude Codeなどのコーディング支援AIを開発工程の中心に据える手法で、要件整理からコード生成、テストまでをAIと人が分担することで、スクラッチ開発の工数構造が変わってきています。
従来、独自のシステムを持てるのは大手だけでした。数千万円の初期投資を回収できる規模がなければ、選択肢はSaaSしかなかったからです。
ノーコード開発が50万〜500万円の価格帯を作り、AI駆動開発がスクラッチ相当の自由度を従来より小さい工数で実現しつつある今、中堅の不動産会社でも「自社の業務に合わせたシステムを持つ」判断が現実的になっています。
手法の使い分けについて、当社の現場感を目安として共有すると、100万円未満の小規模な開発はノーコードが手早く、それ以上の規模ではAI駆動開発が選択肢として合理的になりつつある、というのが実感です。Bubbleのようなノーコードはインフラの構築が不要なぶん小規模案件で立ち上がりが速く、AI駆動開発は規模が大きくなるほど自由度の高さが効いてきます。
ただし、連携先のシステム、運用体制、将来の拡張計画によって最適解は変わります。どちらか一方に決め打ちせず、両方の見積もりを比較して選ぶのが現実的です。手法の詳細はAI駆動開発の解説記事で扱っています。
ここまでは「開発のやり方」としてのAI活用の話でしたが、AIそのものを機能として組み込む開発の費用感も見ておきます。不動産業務でのAI活用としては、物件資料や登記情報の読み取り・整理、過去データを踏まえた査定の下書き支援、問い合わせの一次対応といった用途が考えられます。AI開発の費用相場は、LLM APIを活用した小規模開発で50万〜300万円、RAGを使った業務組み込み型で100万〜1,000万円、事業プロダクトやAIエージェント開発で500万〜3,000万円が目安です。
1つ補足しておくと、AIが開発を速くしても、品質を保証してくれるわけではありません。生成されたコードのレビュー、テストの設計、セキュリティの確認は、これまで以上に開発会社側の体制が問われる部分です。
「AIで安く速く」だけを打ち出す会社と、AIを使いながら品質管理の工程をどう維持しているかを説明できる会社では、納品後の安定性に差が出ます。AI駆動開発を検討する場合ほど、次章で述べる品質管理体制の確認が重要になります。
不動産DXの進め方と、開発会社の見極め方
進め方:要件の整理→小さく作る→検証
- ステップ1:業務の棚卸しと要件の整理——困りごとを業務単位で書き出し、冒頭の早見表の軸で「SaaSで済むもの」「開発が効くもの」に仕分けます。この段階で全体像を持っておくと、ツールの継ぎ足しによる分断を防げます
- ステップ2:小さく作る——最初から全社のデータ統合基盤を狙わず、効果が数字で見えやすい1業務から着手します。たとえば「反響から成約までの数字を1画面で見られるダッシュボード」だけでも、経営会議の景色は変わります
- ステップ3:検証してから広げる——現場が実際に使っているか、狙った業務時間が減っているかを確認してから、対象業務を広げます。使われないシステムを大きく作ることが、DX投資の最大の失敗パターンです
なお、開発会社に相談する時点で完璧な要件定義書を用意する必要はありません。それよりも、いま使っているツールの一覧、手作業で作っている帳票やExcelの実物、困っている業務の流れを見せてもらうほうが、要件は早く固まります。
要件定義そのものを開発会社と一緒に進める前提で、材料を揃えて臨むのが現実的です。
開発会社の見極めは「品質管理の体制」を聞く
発注先を選ぶ際、実績の件数や価格だけで比較すると失敗しやすくなります。確認すべきは品質管理の体制です。具体的には次の4点を質問してみてください。
- 社内に開発規約(命名規則や実装ルール)があるか
- リリース前のチェックリストを運用しているか
- 権限設計・データアクセス制御をどう考えているか(不動産は個人情報と金銭情報を扱うため特に重要です)
- 保守と引き継ぎのドキュメントをどこまで残すか
この4つに具体的に答えられる会社は、納品後の運用まで見据えて開発しています。逆に、ここが曖昧な会社に発注すると、数年後に「誰も触れないシステム」を抱えるリスクが高まります。
特に不動産のシステムは、入居者・オーナー・購入検討者の個人情報と、家賃や売買代金といった金銭情報を必ず扱います。「誰がどのデータを見られるか」の権限設計を発注側から質問し、設計の考え方を言葉で説明できるかを確かめることが、そのまま開発会社の実力の見極めになります。
Swoooは、東証グロース上場の株式会社アイビスが運営する開発支援サービスです。累計50件以上の開発支援実績があり、Bubble公式Goldパートナー(日本1位)として、ノーコード開発からAI駆動開発までを一貫して手がけています。社内開発規約とリリース前チェックリスト37項目の運用により、納品時の手戻りゼロを続けています。
不動産DXに関するよくある質問
不動産DXは何から始めればよいですか?
業務の棚卸しからです。困りごとを業務単位で書き出し、「他社と同じやり方で困らない業務」はSaaS、「自社の強みになっている業務」や「複数ツールの統合」は自社開発、と仕分けます。ツール選定や開発の検討はその後です。すでにSaaSを導入済みなら、転記作業とExcel集計がどこに残っているかを洗い出すと、次の一手が見えやすくなります。
自社開発は高いのではないですか?
かつては数千万円が前提でしたが、現在はノーコード開発で50万〜500万円が相場です。業務管理システムなら50万〜200万円程度から作れます。SaaSの月額費用と転記作業の人件費を数年分積み上げると、自社開発のほうが安くつくケースも珍しくありません。まず両方の総費用を比較することをお勧めします。
ノーコード開発で不動産の業務システムは作れますか?
データ統合ダッシュボード、オーナー向けマイページ、内見予約、独自のスコアリング管理といった業務システムはノーコードで十分に構築できます。一方、大量データの高速処理や特殊なインフラ要件がある場合はスクラッチ開発やAI駆動開発が向きます。要件次第で手法を選ぶのが正解で、手法ありきで決めるものではありません。
既存の賃貸管理SaaSや基幹システムと連携できますか?
連携先のシステムがAPIを公開していれば、データの取得・更新を自動化する連携開発が可能です。APIがない場合も、CSVの自動取り込みなど代替手段を設計できます。検討時には、現在利用中のツールのAPI公開状況を開発会社に伝えると、実現可否と概算を早く出せます。
開発にはどれくらいの期間がかかりますか?
規模によりますが、ノーコード開発なら小規模なシステムで1〜3ヶ月程度が目安です。Swoooでは最短2週間でMVP(検証用の最小構成)を納品した実績があります。最初から完成形を目指すより、小さく作って現場で検証しながら育てるほうが、期間・費用の両面でリスクを抑えられます。
まとめ:SaaSと自社開発の線引きが、不動産DXの分岐点
不動産DXの論点は、「やるかどうか」から「どこまでSaaSで済ませ、どこから自社開発するか」に移りました。本記事の要点を整理します。
- 賃貸管理・電子契約・内見予約など、他社と差がつかない標準業務は成熟したSaaSで済ませる
- SaaS導入の次に来るのは、ツールの点在・データの分断・標準機能の限界という悩み
- データ統合、強みになっている業務のシステム化、顧客向けの独自体験は自社開発が効く
- 費用はノーコード開発で50万〜500万円から。AI駆動開発の広がりで、自社開発の損益分岐点は下がっている
- 進め方は「要件の整理→小さく作る→検証」。発注先は品質管理体制で見極める
自社の業務のどこにSaaSが合い、どこに開発が効くのか——仕分けの段階からの相談も歓迎です。SaaSで済む領域には「開発は不要です」とお伝えしますので、まずは現状の業務とツール構成をお聞かせください。無料相談はこちらから受け付けています。