「Shopify Plusパートナーに開発を頼みたい」と情報を集めている方に、最初にお伝えすべき事実があります。「Shopify Plus Partner」という認定制度は、2024年12月をもって廃止されました。現在のShopifyには、Registered/Select/Plus/Premier/Platinumの5段階ティアで構成される統一されたパートナープログラムがあり、旧Plusパートナーに相当する企業はこの上位ティアに移行しています。
つまり、いま「Shopify Plusパートナー一覧」として旧制度の認定企業を並べた記事の多くは、制度としてはすでに存在しない情報を紹介していることになります。この記事では、Shopify公式サイト(shopify.com/help.shopify.com)の一次情報にもとづき、2026年7月17日時点の内容として次の3点を整理します。
- Shopify Plusの料金と機能(2026年の公式確認値)
- パートナー制度の変更点と、現行の5段階ティアの仕組み
- Shopify Plus級の開発に対応できる国内の主要パートナーと、選び方の視点

制度名が変わっただけで、Shopify Plus級の大規模EC構築を任せられる会社が消えたわけではありません。「どの名前で、どこを見て探すか」が変わった点を押さえていきましょう。
Shopify Plusとは|2026年時点の料金と機能
Shopify Plusは、Shopifyの中で大規模事業者向けに位置づけられた最上位クラスのプランです。取引量の多いEC、複数ブランド・複数地域での展開、B2B取引など、標準プランでは対応しきれない要件を持つ企業が対象になります。パートナー選びの前提として、まずプラン自体の料金と機能を正確に押さえておきましょう。
Shopify Plusの料金(2026年7月17日確認)
Shopify公式の日本向け料金ページ(shopify.com/plus/pricing)では、2026年7月17日時点で次の料金が案内されています。
| 契約形態 | 月額料金 |
|---|---|
| 1年契約 | 398,000円〜 |
| 3年契約 | 368,000円〜 |
| 追加ストア(10店舗目以降) | 1店舗あたり月47,800円 |
月額料金には、メインストアに加えて拡張ストア9つまでが含まれます。多ブランド展開や越境ECで複数ストアを運用する場合も、10店舗までは基本料金の範囲内です。また、事業構造が複雑な企業向けに、売上に連動する変動型のプラットフォーム料金も選択できます。
なお、公式サイトでも最終的な見積もりは営業担当への相談が前提となっており、上記はあくまで起点となる金額です。この月額はShopifyに支払うプラットフォーム利用料であり、開発会社に支払う構築費用とは別物です。構築費用の相場は記事後半のFAQで整理します。
Shopify Plusの主要機能
Shopify Plusでは、標準プランにはない次のような機能が使えます。
- B2Bコマース機能:卸売・法人取引向けの価格表、支払い条件、顧客別カタログなどを標準機能で構築できます
- チェックアウトカスタマイズ:購入完了までの画面を要件に合わせて変更でき、コンバージョン改善の打ち手が広がります
- Shopify Functions:割引ロジックや配送条件など、バックエンドの挙動をコードで拡張できます
- ヘッドレスコマース対応:フロントエンドを自由な技術構成で作り、Shopifyをコマース基盤として使う構成が取れます
- Shopify POS Pro:実店舗とECの在庫・顧客情報を統合するPOS機能が含まれます
- ShopifyQL Notebooks:売上・顧客データをクエリで分析できるツールが使えます
いずれも「標準機能では足りない要件を、どこまで作り込めるか」に関わる機能です。裏を返せば、これらを使いこなす構築には相応の設計力と実装力が必要で、だからこそ依頼先のパートナー選びが重要になります。
Shopify Plusが向いているケース
月額398,000円〜という料金水準を踏まえると、Shopify Plusが合理的な選択になるのは次のようなケースです。
- 取引量が多く、標準プランの決済手数料や機能制限が事業のボトルネックになっている
- 複数ブランド・複数地域のストアを一元運用したい(拡張ストア9つまで月額内)
- B2B取引をECに載せたい、または既存のB2B受注業務をオンライン化したい
- 基幹システム・在庫管理・会計など、社内システムとの連携を前提とした構成が必要
逆に、単一ストアで標準機能の範囲に収まる事業であれば、まずは通常プランで立ち上げて、事業規模に応じてアップグレードする進め方が現実的です。
「Shopify Plusパートナー」制度は2024年12月に廃止された
ここがこの記事で最も重要なポイントです。かつてShopifyのパートナー制度は「Shopifyパートナー」「Shopify Experts」「Shopify Plusパートナー」という複数の区分に分かれており、Shopify Plusパートナーはその中で大規模案件の実績を持つ企業だけが認定される最上位の区分でした。日本国内でも認定企業は限られており、「Shopify Plusパートナーかどうか」が開発会社選びの分かりやすい基準として機能していました。
しかしこの体系は、すでに段階的に廃止されています。
旧制度の廃止の経緯
Shopify公式ヘルプ(help.shopify.com)および各種発表から確認できる経緯は次のとおりです。
| 時期 | 変更内容 |
|---|---|
| 2023年後半 | 「Shopify Experts」のマーケットプレイスが終了し、パートナーを探す場は「Shopify Partner Directory」に統合 |
| 2024年12月 | 「Shopify Plus Partner」の認定区分が廃止(sunset)。旧認定企業は統一プログラムのティアに移行 |
| 2025年12月 | アプリ開発側の旧認定(Plus Certified App Program等)も終了し、「Shopify Certified Technology Partner Program」に統合 |
つまり、サービスパートナー(構築・支援会社)とテクノロジーパートナー(アプリ開発会社)の双方で、旧来の個別認定はすべて統一プログラムに集約されました。2026年時点で「Shopify Plusパートナー」を現行の認定名として使うのは正確ではありません。各社の「Shopify Plusパートナー認定」は、認定を受けた当時の実績として読むのが正しい理解です。
現行制度:Shopify Partner Programの5段階ティア
現在のパートナー制度は「Shopify Partner Program」に一本化されています。パートナーは構築・支援を担うサービスパートナーと、アプリなどを提供するテクノロジーパートナーの2トラックに分かれ、共通の5段階ティアで評価されます。ティアは四半期ごとに見直されます。
| ティア | 位置づけ | 目安(公式Tiering Guideにもとづく水準感) |
|---|---|---|
| Registered | 入口。誰でも無料で登録可能 | 審査なし。Partner Directoryには掲載されない |
| Select | 実績にもとづく最初の獲得ティア | 中小規模マーチャントでの実績。認定スキル(Verified Skills)保有者3名以上が目安。Directory掲載が始まる |
| Plus | 大規模案件の実績を持つティア | Shopify Plus案件5件以上の実績と、Verified Skills保有者10名以上が目安。旧「Shopify Plusパートナー」の実態はここに相当 |
| Premier | 大企業向け案件の上位ティア | Plusを上回る実績・体制 |
| Platinum | グローバル大企業向けの最上位ティア | 新規売上500万ドル以上、Plus/Enterprise案件6件以上などの水準 |
注意点として、各ティアの具体的な数値要件はShopifyがパートナー向けに提供する「Partner Program Tiering Guide」に定められており、一般公開ページには詳細な数値が明記されていません。上の表の数値はあくまで目安の水準感として捉えてください。また、ティアは一度取得したら終わりではなく四半期ごとに見直されるため、直近の実績が反映される仕組みになっています。発注側から見ると、旧制度の「一度認定されたら基本的にそのまま」という静的なラベルよりも、現在の活動量が反映されやすい指標だと言えます。
なお、アプリを提供するテクノロジーパートナー側にも同様の再編がありました。旧「Plus Certified App Program」などの認定は2025年12月に終了し、現在は「Shopify Certified Technology Partner Program」に統合されています。Shopify Plusでの構築時にアプリを選定する場面でも、旧認定名ではなく現行の認定枠組みで確認する必要があります。
発注側の実務としては、次の対応関係を覚えておけば十分です。
- 旧「Shopifyパートナー」→ 現行の「Registered」に相当(登録のみ・審査なし)
- 旧「Shopify Experts」→ 現行の「Select」以上+Partner Directory掲載に相当
- 旧「Shopify Plusパートナー」→ 現行の「Plus」以上のティアに相当
「Shopify Plusパートナー」表記をどう読めばよいか
制度変更から日が浅いため、開発会社の公式サイトや比較記事には、今も「Shopify Plusパートナー」「Shopify Experts」の表記が数多く残っています。これらを見かけたときは、次のように読み替えるのが実務的です。
- 認定の時期を確認する:「2023年にShopify Plusパートナー認定」のような表記は、当時の実績として有効な情報です。大規模案件の実績があった事実は変わりません
- 現行ティアを確認する:新制度移行後のティア(Plus/Premier/Platinum)をプレスリリース等で公表している会社もあります。公表があれば、それが最新の位置づけです
- Partner Directoryで照合する:最終的にはShopify公式のPartner Directoryで、その会社が掲載されているか・どんな実績が載っているかを確認するのが確実です

「認定ロゴが載っているか」ではなく「いつの認定か・今のティアはどこか」を見る。この一点だけで、情報の鮮度を見分けられます。
Shopify Partner Directoryでのパートナーの探し方
現在、Shopify公式がマーチャント向けに用意しているパートナー検索の場は「Shopify Partner Directory」です。旧Shopify Expertsマーケットプレイスの後継にあたり、Selectティア以上のパートナーが掲載されます。掲載自体に実績の裏付けがあるため、候補探しの起点として使えます。
Directoryで確認できること
- 提供サービスの種類(ストア構築、マイグレーション、マーケティング支援など)
- 対応地域・対応言語
- 過去の実績やポートフォリオ
- マーチャントからのレビュー
探すときの実務的な手順
- Partner Directoryで「日本語対応」「ストア構築」など自社の条件で絞り込む
- 候補企業の公式サイトで、自社と近い業種・規模の実績があるかを確認する
- Shopify Plus級の要件(B2B、基幹連携、複数ストア等)がある場合は、Plus案件の実績件数と現行ティアの公表有無を確認する
- 3〜5社程度に絞って問い合わせ、提案と見積もりを比較する
Directoryは網羅的なカタログではなく、あくまで一次スクリーニングの道具です。最終判断は、次章で紹介するような各社の公表実績と、実際の提案内容で行うことになります。
Directoryを使うときの注意点
2つ、押さえておきたい注意点があります。1つ目は、Registeredティアのパートナーは掲載されないという点です。Directoryに載っていないからといって、Shopifyの構築ができない会社とは限りません。一方で、掲載されている会社は少なくともSelect以上の実績水準を満たしている、という下限の保証として使えます。
2つ目は、Directory上の情報だけでは、日本語での要件定義力やプロジェクト管理の相性まではわからないという点です。特にShopify Plus級の案件は、関係部署が多く要件調整の比重が大きくなります。Directoryで候補を絞ったら、初回の打ち合わせでヒアリングの質を確かめておくと、その後のずれを防ぎやすくなります。
Shopify Plus級の開発に対応する国内の主要パートナー8社
ここからは、大規模EC構築の依頼先候補になりうる国内の主要パートナーを紹介します。掲載しているのは、2026年7月17日時点で、事業の継続とShopify関連の実績を公式サイト・プレスリリース等で確認できた企業のみです。現行ティアは、一次情報で公表を確認できた場合にのみ記載しています(多くの企業は新制度移行後のティアを公表していないため、未確認のものは記載していません)。
フラッグシップ株式会社
Shopifyを軸としたECサイト構築・運用に特化した開発会社です。同社はShopify Plusの導入実績を国内最多と公表しており、2024年11月にはShopify Japanが年間1社にのみ贈る「Enterprise Partner of the Year」を受賞しました。さらに、新制度移行後の2025年1月からPremierパートナーに認定されたことをプレスリリースで公表しています。現行ティアを一次情報で確認できる、数少ない企業のひとつです。
基幹システムや倉庫管理システムとの連携、オムニチャネル対応、越境ECなど、大規模案件で求められる構成への対応を掲げています。実績と認定内容を踏まえると、Shopify Plus級の案件では比較検討の候補に入れやすい1社です。
| 会社名 | フラッグシップ株式会社 |
|---|---|
| 公式サイト | https://flagship.cc/ |
| 主な領域 | Shopify・Shopify PlusのEC構築、越境EC、システム連携 |
| 確認できた事実(2026年7月時点) | ・Shopify Plus導入実績国内最多を公表(同社発表) ・「Enterprise Partner of the Year」受賞(2024年11月) ・現行制度のPremierパートナー認定(2025年1月〜、同社プレスリリース) |
株式会社電通デジタル
電通グループのデジタルマーケティング会社で、EC構築を単体の開発案件としてではなく、マーケティング戦略・顧客データ活用と一体で支援できる点が特徴です。2021〜2022年には、電通ジャパンネットワークの4社が同時に旧「Shopify Plusパートナー」認定を受けており、電通デジタルはその1社です。
広告・CRM・データ分析まで含めた体制を持つため、「ECサイトを作ること」よりも「EC事業全体の売上をどう伸ばすか」から設計したい大手企業に向いた選択肢です。
| 会社名 | 株式会社電通デジタル |
|---|---|
| 公式サイト | https://www.dentsudigital.co.jp/ |
| 主な領域 | EC構築、デジタルマーケティング、顧客データ活用 |
| 確認できた事実(2026年7月時点) | ・旧「Shopify Plusパートナー」認定(2021〜2022年、電通ジャパンネットワーク4社同時) ・現行ティアの公表は未確認 |
TOPPAN株式会社(旧・凸版印刷)
印刷事業で培った製造・物流基盤を持つ大手企業です。凸版印刷株式会社として2023年5月に旧「Shopify Plusパートナー」認定を受けています。ECサイトの企画・構築だけでなく、商品の入荷から発送までのフルフィルメント、商品開発支援まで含めた総合的な支援体制が特徴です。
EC単体ではなく、サプライチェーン全体を1社に任せたい企業、既存の取引基盤がある大手企業にとって検討しやすい相手です。
| 会社名 | TOPPAN株式会社(旧・凸版印刷株式会社) |
|---|---|
| 公式サイト | https://www.toppan.com/ja/ |
| 主な領域 | EC企画・構築、フルフィルメント、商品開発支援 |
| 確認できた事実(2026年7月時点) | ・旧「Shopify Plusパートナー」認定(2023年5月) ・現行ティアの公表は未確認 |
トランスコスモス株式会社
BPO大手として、EC構築からフルフィルメント、コールセンター、データ分析まで、EC運営に必要な業務全般を受託できる体制を持つ企業です。中国・ASEAN市場向けの越境EC支援にも対応しており、構築後の運営代行までを一気通貫で任せられる点が強みです。
「サイトを作る」より「EC事業の運営体制ごと外部化する」ことを検討している企業に合う選択肢です。
| 会社名 | トランスコスモス株式会社 |
|---|---|
| 公式サイト | https://www.trans-cosmos.co.jp/special/ec/shopify.html |
| 主な領域 | EC構築・運営代行、フルフィルメント、コールセンター、越境EC |
| 確認できた事実(2026年7月時点) | ・Shopify構築・運用支援サービスを継続提供中 ・現行ティアの公表は未確認 |
株式会社GO RIDE
横浜とロサンゼルスを拠点に、ShopifyでのECサイト制作とアプリ開発を手掛ける企業です。セイコーやゴールドジムなど、知名度のあるブランドのECサイト制作実績を公表しています。デザイン性を重視したストア構築に加えて、定期購入(サブスクリプション)向けの自社アプリも提供しています。
ブランドの世界観を重視したD2C系のストアや、北米市場を視野に入れた展開を考えている企業に向いています。
| 会社名 | 株式会社GO RIDE |
|---|---|
| 公式サイト | https://goriderep.com/ |
| 主な領域 | ShopifyでのEC制作、Shopifyアプリ開発、海外展開支援 |
| 確認できた事実(2026年7月時点) | ・Shopify構築事業を継続提供中 ・大手ブランドのEC制作実績を公表(同社発表) |
株式会社ハックルベリー
Shopifyアプリの開発・提供を主力とする企業です。サブスクリプション系Shopifyアプリで国内導入数No.1を公表しています(同社発表・2026年1月時点)。SNS経由でギフトを贈れる「All in gift」など、ストアの売上機能を拡張するアプリを複数展開しており、EC構築やコンサルティングも手掛けています。
定期購入モデルやギフト需要など、アプリによる機能拡張が売上の鍵になる事業で、アプリベンダーとしての知見ごと活用できる相手です。
| 会社名 | 株式会社ハックルベリー |
|---|---|
| 公式サイト | https://huckleberry-inc.com/ |
| 主な領域 | Shopifyアプリ開発・提供、EC構築、ECコンサルティング |
| 確認できた事実(2026年7月時点) | ・サブスクリプション系Shopifyアプリで国内導入数No.1を公表(同社発表・2026年1月時点) |
株式会社フラクタ
ブランディングを軸にしたECサイト構築を得意とする企業で、2019年に旧「Shopify Plusパートナー」認定を受けています(Shopify公式ブログのケーススタディでも紹介)。商品の世界観に沿ったデザイン設計と、BtoB・BtoE(従業員向け)ECなどビジネスモデルに応じた構築提案が特徴です。
「機能要件は満たせるが、ブランドとしての見せ方に不安がある」という事業者にとって、デザインとブランディングの知見を借りられる相手です。
| 会社名 | 株式会社フラクタ |
|---|---|
| 公式サイト | https://fracta.co.jp/ |
| 主な領域 | ブランドEC構築、ブランディング、ECリニューアル |
| 確認できた事実(2026年7月時点) | ・旧「Shopify Plusパートナー」認定(2019年、Shopify公式ブログ掲載) ・現行ティアの公表は未確認 |
コマースメディア株式会社
ECサイトの構築から運営代行までを手掛ける企業です。サイト構築後の受注処理・在庫管理・カスタマーサポートといった運営業務の代行に強みがあり、シンガポール向けを起点とした越境ECの販売代行サービスも提供しています。
社内にEC運営の人員を確保しにくい企業や、構築後の運用まで含めて任せたい企業に合う選択肢です。
| 会社名 | コマースメディア株式会社 |
|---|---|
| 公式サイト | https://commerce-media.info/ |
| 主な領域 | EC構築、運営代行、越境EC販売代行 |
| 確認できた事実(2026年7月時点) | ・Shopifyを含むEC構築・運営代行事業を継続提供中 ・現行ティアの公表は未確認 |
なお、制度変更の過渡期にあたるため、各社の認定・ティアに関する情報は今後も更新される可能性があります。最新の状況は、各社のプレスリリースとShopify公式のPartner Directoryで確認してください。
開発パートナー選びの3つの視点

ティアや認定は「一定の実績がある」ことの証明にはなりますが、自社の案件に合うかどうかは別の問題です。候補を比較する際は、次の3つの視点で見ていきます。
得意業種・ビジネスモデルの一致
業種や商材、ビジネスモデルによって、ECサイトに必要な機能は大きく異なります。アパレルのD2Cと、法人向けの卸売ECでは、求められる設計がまったく違います。候補企業の実績一覧を見て、自社と同じ業種、または近いビジネスモデルの構築実績があるかを最初に確認しましょう。
また、ECサイトは構築して終わりではなく、運用の中で新しい課題や機能要望が出てきます。マーケティング支援や物流業務まで見てもらえるのか、構築後のサポート範囲もあわせて確認が必要です。
開発実績の量と質
Shopify Plus級の案件では、チェックアウトカスタマイズやShopify Functions、外部システム連携など、標準構築より難易度の高い実装が発生します。実績を見るときは件数だけでなく、「Plus案件の実績があるか」「自社が必要とする連携・カスタマイズと同種の実装経験があるか」という質の面を確認してください。
前述のとおり、現行制度ではPlusティア以上が「Shopify Plus案件5件以上」を目安としています。ティアの公表がない会社でも、Plus案件の実績件数を直接質問すれば同じ確認ができます。
費用の目安と相見積もり
1社の見積もりだけでは、金額が相場に対して妥当かどうかを判断できません。候補を5社前後リストアップし、3社以上から見積もりを取って比較するのが基本です。金額そのものだけでなく、見積もりの内訳の粒度と、要件のヒアリングの深さに各社の実力が表れます。
要件が曖昧なまま安い金額を提示する会社より、前提条件と変動要因を明示した上で見積もる会社のほうが、プロジェクト開始後の手戻りリスクは小さくなります。
見落としやすい論点:ECと業務システムの連携
Shopify Plus級の規模になると、EC単体で完結するプロジェクトはほとんどありません。受発注管理、在庫管理、会計システム、実店舗のPOS、物流倉庫のシステムなど、社内の業務システムとECをどうつなぐかが、プロジェクトの成否を分ける論点になります。
ここはECサイト構築とは別のスキルセットが必要な領域です。ストアフロントのデザインや構築が得意な会社が、基幹業務側の設計まで得意とは限りません。パートナー選定の段階で、次の点を確認しておくと後の手戻りを防げます。
- 既存の業務システムとのAPI連携の実装を、誰がどこまで担当するのか
- 在庫・受注データの同期方式(リアルタイム連携か、バッチ処理か)
- EC側の改修が業務システム側に影響するときの、変更管理の体制
Swooo(運営:東証グロース上場の株式会社アイビス・証券コード9343)は、ECサイト本体の構築ではなく、この「EC×業務システム連携」の側を開発領域とする会社です。受発注・在庫・顧客データをつなぐ業務システムの設計とAPI連携の開発を担当します。EC構築パートナーの選定と並行して、業務側のシステム整備を検討している場合は、以下のページを参考にしてください。
Shopifyのパートナー制度に関するよくある質問
Shopify Plusパートナーは今も存在しますか?
認定制度としては存在しません。「Shopify Plus Partner」の区分は2024年12月に廃止され、現在はRegistered/Select/Plus/Premier/Platinumの5段階ティアからなる統一のShopify Partner Programに移行しています。旧Plusパートナー認定企業の実態は、現行のPlus以上のティアに相当します。
Shopify Expertsはどうなりましたか?
Shopify Expertsのマーケットプレイスは2023年後半に終了し、パートナーを探す場はShopify Partner Directoryに統合されました。現在「Shopify Experts」で検索しても、Partner Directoryに案内されます。旧Expertsに相当するのは、現行制度でDirectoryに掲載されるSelectティア以上のパートナーです。
Shopify Plusの利用料はいくらですか?
Shopify公式の日本向け料金ページによると、1年契約で月額398,000円〜、3年契約で月額368,000円〜です(2026年7月17日確認)。メインストアと拡張ストア9つまでが月額に含まれ、追加ストアは1店舗あたり月47,800円です。最終的な金額は要件によって変わるため、正確には公式への問い合わせが必要です。
Shopify Plusでの構築を開発会社に依頼する場合の費用相場は?
要件次第で幅がありますが、Shopify Plusを前提とした本格的な構築では500万〜1,000万円程度が一つの目安とされます。基幹システム連携や複数ストア展開が入るとさらに上振れし、逆に標準機能中心の中規模構築であれば300万円前後に収まるケースもあります。この構築費用は、Shopifyに支払う月額利用料(前述)とは別に発生する費用です。
個人でもShopifyパートナーになれますか?
Registeredティアへの登録は個人・法人を問わず無料で可能で、審査もありません。ただし、Partner Directoryに掲載されるSelect以上のティアには、マーチャントでの実績や認定スキル保有者数などの水準が設けられており、四半期ごとに見直されます。上位ティアを目指すには、継続的な案件実績の積み上げが必要です。
まとめ|制度の「今」を押さえた上でパートナーを選ぶ
この記事の要点を整理します。
- 「Shopify Plusパートナー」の認定制度は2024年12月に廃止され、現在は5段階ティアの統一Partner Programに移行している
- パートナー探しの公式な起点はShopify Partner Directory。掲載されるのはSelectティア以上
- 各社の「Shopify Plusパートナー認定」表記は当時の実績として読み、現行ティアの公表有無とPlus案件の実績で現在地を確認する
- Shopify Plusの利用料は月額398,000円〜(1年契約・2026年7月確認)。開発会社に支払う構築費用とは別物
- Plus級の案件では、EC本体の構築力に加えて、基幹システムとの連携設計が成否を分ける
制度名の変更は、発注側にとっては「見るべき場所が変わった」だけの話です。旧制度の認定歴と現行ティア、そして自社の要件との一致度。この3点を確認すれば、大規模EC構築のパートナー選びで大きく外すことはありません。あわせて、ECと社内業務システムの連携を早い段階で設計に織り込むことをおすすめします。
執筆:Swooo編集部/監修:諸藤 哲耀(株式会社アイビス Swooo)