台湾でのオフショア開発の特徴3選!メリット・デメリットも解説
台湾でのオフショア開発がおすすめと聞いたことがありませんか?しかし、どのような点でおすすめなのか、またどんなデメリットがあるのか、気になっている方も多いでしょう。
今回は、そんな台湾でのオフショア開発について、その特徴やメリット・デメリット、台湾でのオフショア開発におすすめの企業を紹介します。
この記事を読めば、台湾でのオフショア開発について理解できるので、ぜひ最後までお読みください。
目次
オフショア開発とは?

オフショア開発とは、システム開発などを海外企業や海外の現地法人に委託すること。
最大のメリットは、コスト削減につながることです。
開発にかかるコストでは、人件費が大きな割合を占めるため、どのように人件費を減らすのかが課題になります。
そのため、日本人エンジニアに委託するのではなく、海外企業や海外の現地法人に委託するオフショア開発を取り入れるのです。
オフショア開発国の技術者のレベルが上がっているため、日本人と同程度のスキルを持っているエンジニアを日本人よりも安い費用で雇えます。
台湾でのオフショア開発の特徴




台湾でのオフショア開発には3つの特徴があります。
- 「世界で最も裕福な国・地域ランキング」では日本より上位
- 「アジアン・シリコンバレー」計画の推進
- 約35万人ものITエンジニア
それぞれ解説します。
「世界で最も裕福な国・地域ランキング」では日本より上位
台湾は「世界で最も裕福な国・地域ランキング」で日本より上位となっています。ベトナム戦争時の特需から発展を遂げ、今では世界中から注目される地域です。
1990年代後半のアジア通貨危機の際も、台湾全体がIT産業へと舵を切ったことで乗り越えられ、現在の成長へと繋がっています。
「アジアン・シリコンバレー」計画の推進
台湾では「アジア・シリコンバレー」計画が推進されています。これは経済成長を遂げるために、ソフトウェアに強い企業を世界各国から呼び込む活動です。
具体的には、MicrosoftやAmazon・Googleなどの巨大IT企業が相次いで台湾に進出しているなど、高い成果が出ています。
約35万人ものITエンジニア
台湾には、35万人のITエンジニアがいるとされています。市場としては大きくはありませんが、平均的に高い技術力を持ったエンジニアが多くいることは間違いありません。
そのため、すでに人材獲得競争が始まっており、先ほど紹介したような巨大企業に多くのエンジニアが集まっています。
台湾でのオフショア開発のメリット3つ




台湾でオフショア開発をするメリットは3つあります。
- 高品質のシステムを構築できる
- 緊急時にすぐ対応できる
- コミュニケーションが取りやすい
それぞれ解説します。
高品質のシステムを構築できる
1つ目のメリットは、高品質のシステムを構築できることです。
台湾には技術力の高いエンジニアがたくさんいます。
そのため、オフショア開発を行う他の国と比べて、高品質のシステムを構築ができます。
緊急時にすぐ対応できる
2つ目のメリットは、緊急時にすぐ対応できることです。
他の国に比べ、台湾は日本からかなり近い場所にあります。
縄県から少し西に進んだところにあるため、東京から飛行機で3時間半で行けるのです。
そのため、緊急事態が発生した時に、すぐに駆けつけやすいと言えます。
コミュニケーションが取りやすい
3つ目のメリットは、コミュニケーションが取りやすいことです。
台湾はかなりの親日国だと知られているほど日本文化が広く受け入れられています。
日本語でやりとりできるため、お互いのミスコミュニケーションを減らせるでしょう。
台湾でのオフショア開発のデメリット3つ




一方で、台湾でのオフショア開発にはデメリットもあります。
- 人件費が高い
- 人材確保が難しい
- 価値観が合わない
以上の3つのデメリットについて、それぞれ解説します。
人件費が高い
1つ目のデメリットは、人件費が高いことです。
他の国に比べて技術力が高いのが台湾でのオフショア開発のメリットでしたが、その一方でスキルが高ければその分人件費も高くなります。
まだ日本人よりは低コストですが、平均すると月額15万円ほどの賃金を支払う必要が出てくるため、費用を抑えるという本来の目標は達成できない可能性があります。
人材確保が難しい
2つ目のデメリットは、人材確保が難しいことです。
先ほども紹介したように、世界的な大企業も進出してきているほど、台湾の人気が高まっています。
そのため、大企業に優秀な人材が流れてしまうため、自社で優秀な人材を確保するのが難しくなっています。
価値観が合わない
3つ目のデメリットは、価値観が合わないことです。
確かに台湾では日本の文化を尊重される傾向にありますが、全ての価値観が同じわけではありません。
例えば、日本では主流である「がむしゃらに働く」という価値観は台湾では受け入れられづらい面があります。
「いかに効率的に業務を進めるか」に重きを置いている人が多いためでしょう。
価値観が合わないまま仕事をするのはかなり難しいので、台湾での文化を尊重した上で仕事を依頼するのが好ましいと言えます。
企業を選ぶ際のポイント




台湾でオフショア開発をするとき、企業選びのポイントは3つあります。
- 実績・技術力
- コミュニケーション力
- セキュリティ対策
それぞれ解説します。
①実績・技術力
まずは、その会社の実績や技術力を確認しましょう。
特に、自社が依頼しようとしている分野に関する実績や技術力を持っているかどうかを見ることが大切です。
対応できる分野でなければ、どれだけ他の分野での実績があっても、品質が劣ってしまう可能性があるので注意しましょう。
②コミュニケーション力
続いて、コミュニケーション力を確認することも大切です。
現地のスタッフが日本語を話せるのか、または日本人の担当者を配置してくれるのかを見ることが大切です。
もし台湾語を話せる担当者が自社にいれば問題ないのですが、そうでない場合は言語の壁が非常に大きくなります。
そのため、なるべく日本語で会話のできる担当者を配置してくれる会社を選びましょう。
③セキュリティ対策
最後に、セキュリティ対策についても確認しましょう。
セキュリティ対策が万全でないと、機密情報が漏れてしまう可能性が十分に考えられます。
そのため、セキュリティ対策が十分であるかも見ておきましょう。
しかし、これは日本だから安全、台湾だから安全ではないというわけではなく、日本の会社に依頼する際にも十分気を付けなければならない点です。
台湾でのオフショア開発の成功事例




大規模なシステム改修をすることになったA社。
技術力が高く、距離が近く、また日本語でのやりとりが可能という3つの理由から台湾でオフショア開発を行うことに決めました。
大規模な改修のため、一筋縄ではいきませんでしたが、技術力が高かったことと日本語でのやりとりができたことが要因で、A社の納得のいくシステムが完成。
連携がとりやすい台湾ならではの成功事例と言えるでしょう。
台湾でのオフショア開発の失敗事例




優秀な人材を確保してオフショア開発を行うため、台湾に現地法人を構えたB社。
採用活動を終え、技術力の高いエンジニアを集めることに成功しました。
しかし、一緒に仕事をしてみると、技術力は高いのですが、どうも心地よく仕事ができません。
その理由は、台湾独自の文化にありました。
日本では成果物を納品すれば良いだけでなく、成功するためにがむしゃらに働くことが美徳だとされています。
しかし、台湾では頑張ったかどうかではなく、成果物のクオリティが高ければそれで良いという判断基準が主流となっています。
そのため、良いシステムは出来上がったのですが、気持ちよく仕事ができず、うまく噛み合いませんでした。
これは台湾の文化に適応できなかった点で、失敗事例と言えるでしょう。
こうした失敗を避けるためには、台湾に限らず、相手国の文化へ一定の理解を示すことが重要です。
また、オフショア開発が失敗する理由を詳しく知りたい方は以下の記事をお読みください。
台湾でのオフショア開発のおすすめ企業5選




ここでは、台湾でのオフショア開発をする際におすすめの企業を5つ紹介します。
- 株式会社リマープロ
- ファイブルビー
- 株式会社NCB リサーチ&コンサルティング
- 株式会社木立
- プリントソルブアジア 株式会社
それぞれの会社の特徴について解説します。
①株式会社リマープロ




株式会社リマープロは、台湾にかなり近い沖縄に本拠地を構えるオフショア開発企業です。
76もの言語に対応しており、台湾だけでなくベトナムやロシアへの進出も果たしています。
他にも海外展開支援事業や印刷デザイン事業など、幅広い業務を請け負っています。
②ファンドネクスト




ファンドネクストは世界レベルの技術者が揃っている会社です。
実績も豊富にあり、日本語でのやり取りも可能なため、スムーズにかつ高品質のシステムを構築できるでしょう。
具体的な実績としては、CMS管理システムや米国株サイト、個人投資家向け株式情報スマホサイト『株探』などの開発実績があります。
③株式会社NCBリサーチ&コンサルティング




株式会社NCBリサーチ&コンサルティングは、西日本フィナンシャルホールディングスのグループ企業です。
アジアへ進出する企業に対して総合的なサポートを行っており、サポート企業の選定や問題解決などをしてくれます。
また法律相談や税務相談も専門のスタッフによるサポートを受けることができます。
>>株式会社NCBリサーチ&コンサルティングの公式サイトはこちら
④株式会社木立




株式会社木立は、300社以上との取引経験がある企業です。
ホームページ制作とWebアプリケーション開発がメインであり、この2分野においては、かなりの実績があるといえるでしょう。
台湾だけでなく、ベトナムやカンボジアなどでもオフショア開発を行っています。
⑤プリントソルブアジア株式会社




プリントソルブアジア株式会社は、台湾だけでなくアジア圏におけるオフショア開発を進めている会社です。
人材育成に力を入れることで、質の高いサービスの提供ができます。
台湾を含めたアジア諸国でオフショア開発をしたい場合にはおすすめの企業です。
台湾以外でオフショア開発におすすめの国5選




最後に、台湾以外でオフショア開発におすすめの国を紹介します。
オフショア開発におすすめの国は以下の5つです。
- 中国
- インド
- ベトナム
- インドネシア
- フィリピン
それぞれの国の特徴を紹介します。
中国
オフショア開発としてとても人気が高いのが中国です。
台湾と並んで、とても技術力の高い国として知られ、今では日本を凌ぐほどの経済成長を遂げています。
しかし、台湾と同じで、人件費が高騰してしまっており、また人材確保も難しい状況であることから、今から中国に進出するのはやや厳しい状況だといえるでしょう。
インド
続いて、インドです。
インドのIT産業は意欲の高い方が多く働いており、日本のエンジニアよりも技術力の高いエンジニアが少なくありません。
そのため、中国と並んでオフショア開発のおすすめ国となっています。
しかし、中国同様、人件費が高騰することと人材確保が難しいことは避けられず、また時差が大きいので対応に苦慮する点がデメリットだといえるでしょう。
ベトナム
また、ベトナムも人気です。
台湾と同じで親日国であることから、日本語を使える方が多いのが特徴です。
まだ発展途上なので人件費が安いのですが、誠実に働いてくれる方が多く、多くの企業がベトナムでオフショア開発を行っています。
詳しくは以下の記事で紹介しているので、興味のある方はぜひお読みください。
インドネシア
インドネシアもオフショア開発を行う国としては有名です。
まだインターネット環境が十分に整備されているわけではありませんが、モバイルの普及率はほぼ100%とも言われているので、モバイル系の開発には強いと思われます。
これから技術力が向上してくるため、未来を見据えている場合はかなりおすすめの国だと言えるでしょう。
フィリピン
フィリピンもおすすめの国の1つです。
あまり日本語を使える人が多くはいませんが、フィリピンでは英語を使っているため、自社に英語を使える人がいれば、エンジニアと直接やりとりできます。
まだ発展途上で賃金が安いため、コストを抑えながら質の高いシステムを作ることができるでしょう。
まとめ




今回は、台湾でのオフショア開発について紹介しました。
台湾でのオフショア開発は、技術力が高く、日本語でのコミュニケーションが取りやすい点が人気を集めています。
しかし、人件費が高かったり人材確保が難しかったりする点には注意が必要です。
品質の高いシステムを作りたい際には、ぜひ台湾でのオフショア開発を検討してみてください。
また、オフショア開発を行う際に出てくる悩みについて知りたい方は、以下の記事をあわせてお読みください。